『王様に捧ぐ薬指』最終話目前で衝撃展開に 悲しげな“キング”山田涼介の涙の意味とは
「今がいちばん幸せかもしれない」
ドラマにおいては、そんな幸福に満ち溢れたセリフが妙に怖い。現実でもそうだが、満ち足りた時間は永遠には続かない。だから、こんなセリフのあとは“まさか”の展開が待ち受けているもの。そう身構えていたにもかかわらず、予想外の展開に心が動揺して追いつかなかった。
火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)第9話。突然の離婚届に、あっという間に10カ月の月日が経ち、東郷(山田涼介)には新たな婚約者(早見あかり)がいて、綾華(橋本環奈)と神山(坂東龍汰)の仲睦まじい様子が映し出された。そのラスト5分の衝撃に「一体何が起きたのか」と、呆然とした視聴者も少なくなかったのではないだろうか。
お互いにとってメリットを享受するだけの契約結婚から、愛を育み本物の夫婦として結ばれた綾華と東郷。だが、そんな2人の間を引き裂こうとする東郷の母・静(松嶋菜々子)の策略がどんどん過激になっていく。
まずは、綾華の父・金太郎(塚地武雅)の友人の会社が突然、倒産してしまった。その結果、連帯保証人になっていた金太郎は1億円という多額の借金を背負うことに。もちろん町のかまぼこ店を営む金太郎には簡単に返せる額ではない。しかも、綾華の母・桃子(りょう)のお腹には6番目の子もいる状況で、だ。
さらに、綾華と東郷の契約結婚を交わした書類まで世間に出回るピンチにも見舞われる。今となっては本当に愛し合う仲になっているとはいえ、最初はメリット婚だったのは事実。すべてを認める謝罪会見を開き、2人のイチャイチャっぷりを披露していたチャンネルは閉鎖することになる。
それでも、2人の絆はむしろ固くなったはずだった。「私、よかったと思ってる。全部バレてみんなに迷惑かけちゃったけど、もう後ろめたいことひとつもないし」と言う綾華に対して、東郷はどこか物悲しい笑顔で「うん」と応える。キスを交わした後に滲んだ涙は、嬉し涙ではなさそうだった。
その理由は、きっと静とのやりとりにあるに違いない。これまで神山を綾華に近づかせたのも静の仕業だったことから、今回も静が裏で手を回しているのだと確信した東郷。どんなに静が水面下で動こうとも、綾華とは「別れない」と宣言してみせる。だが、そんな東郷の言葉を聞いて「本当にそれでいいの?」と笑う静。その後、どんな会話が2人の間でなされたのだろうか。
また、金太郎の口から出た「東郷さん、本当にいいんですか?」の言葉の前後も、どのような会話がなされたのかが気になって仕方ない。そして、きっと東郷が「神山さんにお願いしたいことがあるんです」と投げかけた後、神山からももしかしたら「本当にそれでいいんですか?」と尋ねられたのではないだろうか。