『光る君へ』題字を書家・根本知が担当 内田CP「文字そのものが宝といっていい文化」

 吉高由里子が主演を務める2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の題字が決定した。

 NHK大河ドラマ第63作目となる本作は、平安中期に、のちに世界最古の長編小説といわれる『源氏物語』を生み出した、紫式部の人生を描く。武家台頭の時代を目前に、華やかにひらいた平安文化の花。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生に挑戦する。紫式部役で吉高が主演を務め、藤原道長を柄本佑が演じるほか、岸谷五朗、国仲涼子、高杉真宙、段田安則、三石琴乃、井浦新、玉置玲央、吉田羊、板谷由夏、ファーストサマーウイカらがキャストに名を連ねている。

 題字を手がけたのは、書家の根本知。根本は題字を手がけるにあたって、「文字だけでなく、文字と文字の間にも流れが感じられるよう、何度も筆をとりました」と制作経緯を明かす。

 内田ゆき制作統括は、「根本先生の字の美しさ、優しさ、色気。加えて、手紙に書類に、和歌に漢詩に、日記に物語にと文字を書く人たちによって紡がれるこのドラマを、ご一緒にわくわくしながら作ってくださっている安心感でした」と根本の題字を称えた。

コメント

根本知(題字制作)

『光る君へ』は、漢字とかな文字が交互に並ぶタイトルです。紫式部と藤原道長、両者の想いが入り混じり、それでいて互いに感化し合うような、そんな印象の題字を書きたいと思いました。日本書道の魅力の一つに「流れ」の美しさが挙げられます。文字だけでなく、文字と文字の間にも流れが感じられるよう、何度も筆をとりました。ドラマでは、書道指導も担当します。平安時代の書に向き合える喜びとともに、身の引き締まる思いです

内田ゆき(制作統括)

『光る君へ』出演者への書道指導を根本知先生にお願いして、最初のレッスンの日。先生の手元から生まれる柔らかく瑞々しい墨跡。そして、さわやかに、それでいて情熱的に書を語る先生のことば。全く書道の知識がない私ですが、平安の人々にとって、どんなに文字が大切なものであったかに思いを馳せ、心のうちを表す手段というだけでなく、文字そのものが宝といっていい文化であり、連綿と私たちに伝わってくれたことへ感謝する気持ちになりました。

紫式部の『光る君へ』だからこそ、題字は絶対に毛筆でいきたいと思っていました。決め手は、もちろんまず根本先生の字の美しさ、優しさ、色気。加えて、手紙に書類に、和歌に漢詩に、日記に物語にと文字を書く人たちによって紡がれるこのドラマを、ご一緒にわくわくしながら作ってくださっている安心感でした。

題字を眺めると、自在に静や動があやつられて一つの世界を描くように、文字から文字へ、かろやかにつながっていきます。なかでも私が好きなのは「光」の最後の一画。このたおやかな曲線は根本先生にしかできない、と、見るたびに感じいってしまうのです。この題字が光を発して私たちの物語の拠り所をひとつ示してくれているようで、非常に嬉しく有難く思っております。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、2024年1月より放送予定
出演:吉高由里子、柄本佑、岸谷五朗、国仲涼子、高杉真宙、段田安則、三石琴乃、井浦新、玉置玲央、吉田羊、板谷由夏、ファーストサマーウイカ
作:大石静
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか

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