ウクライナのリアルを映し出す戦争ドラマ 『世界が引き裂かれる時』6月17日公開決定

 2022年の第35回東京国際映画祭で上映された映画『クロンダイク』が、『世界が引き裂かれる時』の邦題で6月17日に公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアル、場面写真、予告編が公開された。

 本作は、ロシアのウクライナ侵攻が始まる直前の2022年1月、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ部門で監督賞を受賞し、続く第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門エキュメニカル賞を受賞、第95回アカデミー賞最優秀国際長編映画賞ウクライナ代表にも選出されるなど世界各国の映画祭で41冠を受賞した戦争ドラマ。本作が長編5作目となるマリナ・エル・ゴルバチが監督を務めている。

 2014年7月ロシアとの国境近くのウクライナのドネツク州で実際に起こった、乗員乗客298人が死亡したマレーシア航空17便撃墜事故を背景とし、ウクライナで懸命に生きる女性の姿を鮮烈に描き出す。ロシアとの国境付近にあるウクライナの小さな家で暮らす、出産を間近に控えた妻と夫。明け方、夫婦の住む家が襲撃され、壁に大きな穴があいてしまう。壁の修繕に取り掛かろうとする二人をよそに、親ロシア派と反ロシア派双方の対立は次第にエスカレートし、事態はさらに混乱を極めていく。

映画『世界が引き裂かれる時』予告編

 公開された予告編は、「これから戦争が始まる」という言葉から始まる。出産を間近に控えた主人公イルカが登場し新ロシア派、反ロシア派の民族対立に巻き込まれていく様子が映し出されていく。イルカの家に開いた大きな穴が印象的に映し出され、「この世界に救いはあるのか?」のキャッチコピーで予告編は幕を閉じる。

 あわせて公開されたポスタービジュアルと場面写真には、主人公イルカの家に開いた大きな穴や、男が銃を突き付けている場面などが切り取られている。

■公開情報
『世界が引き裂かれる時』
6月17日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
出演:オクサナ・チャルカシナ、セルゲイ・シャドリン、オレグ・シチェルビナ
監督・脚本:マリナ・エル・ゴルバチ
撮影:スヴャトスラフ・ブラコフスキー
音楽:ズヴィアド・ムゲブリー
配給:アンプラグド
後援:在日ウクライナ大使館
2022/ウクライナ・トルコ/原題:KLONDIKE/ウクライナ語・ロシア語・チェチェン語・オランダ語/100分/カラー/DCP/ワイドスクリーン/5.1ch
公式サイト:https://www. unpfilm.com/sekaiga/

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