光石研演じる中年男が空回る日々を過ごす 『逃げきれた夢』予告編&ポスター公開

 6月9日に公開される光石研主演映画『逃げきれた夢』の予告編とポスタービジュアルが公開された。

 本作は、人生のターニングポイントを迎えた中年男が新たな一歩を踏み出すまでのおかしくも切ない物語。監督を務めたのは、初の長編監督作『魅力の人間』をはじめ、『枝葉のこと』『お嬢ちゃん』を監督し、俳優として『全裸監督』シーズン1(Netflix)や『ヤクザと家族 The Family』などに出演している二ノ宮隆太郎。瀬々敬久が審査員を務めた2019年フィルメックス新人監督賞のグランプリ受賞作である脚本をもとに、二ノ宮監督自ら映画化し、商業デビューを飾ることとなった。

映画『逃げきれた夢』予告編

 公開された予告編は、光石演じる周平が家族とコミュニケーションを取ろうと試みるも上手くいかず、なんだか情けなく見える姿から始まる。一大決心として「学校辞めるわ、俺」と告げるも妻も娘も無関心。空回る日々を過ごす周平はある日、元教え子・南の働く定食屋でお会計をせず立ち去ってしまう。「俺、病気なんよ、忘れるんよ」――周平は最低ではないが最高とも言い難い、冴えない自分の人生を見直し始めるが、認知症により息子の顔を見ても反応のない父親に「どうしようかねぇ、これから」と将来の不安を漏らしてしまったり、旧知の仲である石田と会話を弾ませるも「なんか問題あるんだったら言え、どうせ言わんのやけど」と胸の内を見透かされてしまったりと、テキトーにしていた人間関係の精算は難しい。

 さらに、かつての教え子たちに掛けられる「逃げんでね、先生」「やけん、なんか言ってよ」という言葉は周平をどこへ導くのか。いまさらジタバタ右往左往するほど若くもないが、最期を迎えるまでじっと待つにはまだ早い。そんな中年男が選ぶ新たな一歩がおかしくも切ない物語を紡いでゆく。最後に瀬々敬久監督が本作に寄せた「描かれている世界は小さいけれど大きなものが伝わってくる。言葉にならない感動というものがあるとしたらこの映画に違いない」というコメントで締められている。

 あわせて公開されたポスタービジュアルは、どこか不安げで心許ない表情で遠くを見る周平の姿とともに、「いやー参ったどうしようかね、これから」「本当、人間期待したらいけんって、なんにでも。私、思うんですよ」「ずっと恵まれとうのに……なんなんやろうな」といった周平のセリフの数々が書かれている。

■公開情報
『逃げきれた夢』
6月9日(金)より、新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラムほか全国ロードショー
監督・脚本:二ノ宮隆太郎
出演:光石研、吉本実憂、工藤遥、杏花、岡本麗、光石禎弘、坂井真紀、松重豊
製作総指揮:木下直哉
プロデューサー:國實瑞惠、関友彦、鈴木徳至、谷川由希子
撮影:四宮秀俊
照明:高井大樹
録音:古谷正志
美術:福島奈央花
装飾:遠藤善人
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:吉村英里
編集:長瀬万里
音楽:曽我部恵一
助監督:平波亘
制作担当:飯塚香織
企画:鈍牛倶楽部
製作:木下グループ
配給:キノフィルムズ
制作プロダクション:コギトワークス
DCP/カラー/1:1.37(スタンダード)/モノラル(5.1ch)/96分/映倫G
©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ
公式サイト:nigekiretayume.jp
公式Instagram:@nigekiretayume

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