『夕暮れに、手をつなぐ』空豆と音、“ゆっくりと変わっていく”姿に感じる別れの予感
この第6話では、響子(夏木マリ)と久遠(遠藤憲一)の会話から、空豆が天才2人から生まれたサラブレッドであることが明らかになる。世界的ファッションブランド「コルザ」のデザイナー浅葱塔子(松雪泰子)に加えて、40歳過ぎに病気で急逝している父は天才画家。その天賦の才は、デザイナーとして久遠も圧倒するほどに見る見ると膨れ上がっていく。コンポーザーとして夢を掴む一歩手前まで来ている音は、天才(と陰ながらの努力)で躍進している空豆とは対照的に長年目指してきた人一倍の努力が報われてのメジャーデビューと言えるだろう。
夢を目指すそれぞれの立場的には少し先にいる音を空豆は「手の届かん人になると。遠くへ行ってしまうとかね?」と寂しそうに思っている。それは過去に「遠くの人を楽しませる人は近くにいる人を悲しませる」というセリフが指す、母・塔子に捨てられた経験から空豆から発せられた言葉だ。音が、自身のユニット「ビート・パー・ミニット(BPM)」で書く空豆の心拍数(BPM)の曲が別れのサイン、というような安直な未来が浮かんでしまう。
また、アンダーソニアにやってくる久遠の昔ながらの友人で俳優の犀賀(大友康平)の「東京はね、頑張ってる田舎者が作った街なんだよ。流行も、頑張ってる田舎者が作る」というセリフが心に残った。気づけば空豆も、音も、マンボウも、葉月(黒羽麻璃央)も、久遠も、この『夕暮れに、手をつなぐ』では“田舎者”が東京を作っている。岐阜県出身の北川悦吏子ならではの脚本であり、同じ田舎者出身として背中を押されるメッセージだった。
■放送情報
火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:広瀬すず、永瀬廉(King & Prince)、川上洋平([Alexandros])、松本若菜、田辺桃子、黒羽麻璃央、伊原六花、内田理央、櫻井海音、茅島成美、酒向芳、遠藤憲一、夏木マリ
脚本:北川悦吏子
演出:金井紘、山内大典(共同テレビジョン)、淵上正人(共同テレビジョン)
プロデューサー:植田博樹、関川友理、橋本芙美(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
編成:三浦萌
制作協力:共同テレビジョン
製作著作:TBS
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