森本慎太郎は“アツさ”を体現する俳優だ 『だが、情熱はある』山里亮太役も納得の演技力
このように、ここ1年での森本の役どころを整理してみると、アツいハートの持ち主かつ、真っ直ぐな性格で周りを明るく照らすようなキャラクターが多かったように思える。
その流れで発表された役が、南海キャンディーズ・山里亮太役。このキャスティングを少々意外に思ってしまったのは、筆者だけではないことだろう。
というのも、山里といえば少しひねくれたパブリックイメージがある。先述した「たりないふたり」のステージでも活動後期には「(たりないふたりの)スタッフは若林寄りだ」などと発言し、若林に対しての嫉妬をあらわにすることもあった。あえて一言で表すのなら、今まで森本が演じてきた役が“陽”なのに対し、山里は“陰”な部分を多く見せてきた人物。山里自身、森本が自分の役を演じると発表された際には「ぽっちゃりのおかっぱが来るかと思っていた」とコメントし、驚いていた。(※)
その一方、森本は「おふたりって、ちょっとネガティブですが、根本にあるお笑いに対しての好きな気持ちだったり、芯っていうものがしっかり通っていて。その根源にあるものを映像を通してお伝えできたらと思います」と前向きにコメント。この言葉を聞き、山里のうちに秘められた“アツさ”を表現するべく、森本が抜擢されたのかと納得した。
実際、お笑いファン、ドラマファンの中には「森本慎太郎が山里亮太を演じるの?」という声もまだまだ少なくない。しかし、思い出してほしい。『泳げ!ニシキゴイ』の際にも「ジャニーズが雅紀さんを!?」という声が少なからずあったが、終わる頃には視聴者をただ前向きで明るい気持ちにさせる長谷川雅紀として、森本が任務を全うしたことを。
さらに言うならば『だが、情熱はある』のプロデューサーは『泳げ!ニシキゴイ』と同じ河野英裕。森本の長谷川雅紀を正解にした作品と同様、今回の山里亮太役も納得感のあるものにしてくれるに違いない。
参照
※. https://realsound.jp/movie/2023/02/post-1252485.html