復帰が報じられたパク・ソダム 主演作の『パーフェクト・ドライバー』への熱い意欲

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、ペーパードライバーの大和田が『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』をプッシュします。

『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』

 主人公は脱北した経験を持つ女の“運び屋”、ウナ(パク・ソダム)。ウナがやっているのは、郵便や宅配で送れないモノをあらゆる手を使って届ける“特送”の仕事です。

 彼女たちを頼るのは、“ワケあり”で追われている人々。何台もの車が追いかけてくる中、ウナが凄腕のドライブテクニックで撒いていく。冒頭5分後には幕を開ける激動のカーチェイスに一気に心を掴まれます。

 ウナが新たに受けた依頼は、海外ヘの逃亡を図る元プロ野球選手で賭博ブローカーのキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)とその息子ソウォン(チョン・ヒョンジュン)を港まで運び逃すこと。しかし、この依頼で配送事故が起きてしまいます。依頼人のドゥシクが不在のまま、ウナは身寄りのないソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。「万一の場合、配送以外の責任は取らない」が“特送”の決まりであり、これ以上巻き込まれまいとソウォンを置き去りにして去ろうとするウナ。しかし、「また僕を捨てるの?」と悲しい目をするソウォンを置いてはいけず、「何があっても必ず届ける」というウナの信念のもと、二人の逃避行が始まるのです。

 本作で主演を務めるのが、第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール、第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』で次女・ギジュンを演じたパク・ソダム。彼女は2021年12月に自身が「甲状腺乳頭がん」と診断されたことを公表し、以来闘病生活を送っていました。発表当時に韓国で公開されていたのがまさに本作で、PR活動には積極的に参加できず、悔しい思いを明かしていました(※1)。そして、『パラサイト 半地下の家族』をきっかけに世界中のたくさんのファンからの彼女へのエールが寄せられていたのを覚えています。

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