『コンフィデンスマンJP』から『エルピス』まで　長澤まさみの“魅力を共有したくなる”個性

　たとえば、“セカチューブーム”を巻き起こした映画『世界の中心で、愛をさけぶ』（2004年）では、白血病に冒される高校2年生の広瀬亜紀（アキ）を演じて大ブレイク。松本朔太郎（サク／森山未來）との空港での一幕は、映画史に残る名シーンとなった。彼女が多くの人に“見つかった”瞬間である。

　DVやセックスレスなど、深刻な問題を描いたのは『ラスト・フレンズ』（2008年／フジテレビ系）。恋人の及川宗佑（錦戸亮）から暴力を振るわれながらも、一生懸命に生きようとする藍田美知留を演じた。それまでの長澤のイメージにない役柄というのもあって、当時は大きな話題を呼んだ。

　“セカチュー”コンビが再共演した映画『モテキ』（2011年）は、長澤のポテンシャルの高さを再確認する機会にもなった。松尾みゆき（長澤まさみ）は、SNSで知り合った藤本幸世（森山未來）と会ったその日に手を繋いで「一緒に寝る？」と誘う。水を口移ししてきたかと思えば、キラキラした笑顔でフェスに誘ってくる。ある日の飲み会では「私ここでドロンします。シュシュシュ！」と颯爽と去っていく……。そんな“可愛さ”と“ドキドキ”が入り混じった世界に連れていく女の子に、誰もがやられてしまった。

　2022年の年末に最終回を迎えた『エルピス—希望、あるいは災い—』（カンテレ・フジテレビ系）。回を追うごとに引き込まれていく物語の面白さもさることながら、浅川恵那を演じた長澤にも賞賛の声が多くあった。

　このほかにも語るべき出演作はたくさんあるが、映画・ドラマを観終えたあと、必ず「長澤まさみヤバくなかった？」と友達、家族、SNSで共有したくなるのが彼女の特徴だと思う。ダー子がターゲットにそうしてきたように、映画・ドラマごとにさまざまな顔を見せてきた長澤。役に「人間的な魅力」という命を吹き込んで、視聴者に愛されるキャラクターに昇華させてしまうーー。

「目に見える演技が長澤まさみのすべてとは限らない」

　掘れば掘るほど、魅力が溢れ出す彼女の芝居を観ると、いつもそう思う。

■放送情報
映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』
1月3日（火） 21:00～23:40放送
出演：長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、松重豊、瀬戸康史、城田優、生田絵梨花、広末涼子、織田梨沙、関水渚、赤ペン瀧川、石黒賢、梶原善、徳永えり、髙嶋政宏、生瀬勝久、真木よう子、角野卓造、江口洋介
監督：田中 亮
脚本：古沢良太
主題歌：Official髭男dism『Anarchy』（ポニーキャニオン）
©2022「コンフィデンスマンJP」製作委員会
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/movie/

『コンフィデンスマンJP』
フジテレビにて放送（※関東ローカル）
第1話～第2話：1月2日（月）7:00～9:50
第3話～第5話：1月2日（月） 12:00～15:00
第6話～第10話：1月3日（火） 7:00～11:50

『コンフィデンスマンJP 運勢編』
フジテレビにて放送（※関東ローカル）
1月3日（火） 12:00～14:30

出演：長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世　
脚本：古沢良太
演出：田中亮ほか
企画：成河広明
プロデュース：草ヶ谷大輔、古郡真也（FILM）
音楽：fox capture plan
主題歌：Official髭男dism『ノーダウト』（ポニーキャニオン）