嘘と詐欺にまみれたパリの都とマスメディアの世界 『幻滅』予告編公開

 グザヴィエ・ジャノリ監督作『幻滅』の公開日が2023年4月14日に決定し、あわせて予告編が公開された。

 19世紀フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックが書き上げた『幻滅——メディア戦記』を、『偉大なるマルグリット』のグザヴィエ・ジャノリ監督が映画化した本作。セザール賞において史上最多ノミネートされ、作品賞、最優秀助演男優賞(ヴァンサン・ラコスト)、有望新人男優賞(バンジャマン・ヴォワザン)を含む最多7冠を受賞した。

 主人公リュシアンを演じたのは、フランソワ・オゾン監督作『Summer of 85』のバンジャマン・ヴォワザン。また、リュシアンの先輩格として彼を教育していくジャーナリストを『アマンダと僕』のヴァンサン・ラコスト、私欲にまみれた人々のなかで唯一、誠実にリュシアンを見守る作家のナタン役を監督としても世界的な人気を誇るグザヴィエ・ドランが演じる。そのほか、セシル・ドゥ・フランス、サロメ・ドゥヴェル、ジェラール・ドパルデュー、ジャンヌ・バリバール、そして本作が遺作となったジャン=フランソワ・ステヴナンらが集結した。

『幻滅』予告編

 公開された予告編は、文学を愛し、詩人として成功を夢見る田舎の純朴な青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)が、あこがれのパリで暮らす中で、当初の目的を忘れ、欲と虚飾と快楽にまみれた世界に身を投じていくさまが映し出される。時は1820年。フランスは宮廷貴族が復活し、自由と享楽的な生活を謳歌していた。そんな社交界に現れたのは、「都会に慣れていない子」と紹介されたリュシアンだ。詩人として成功を夢見る純朴な青年は、貴族の人妻、ルイーズ(セシル・ドゥ・フランス)と駆け落ち同然で憧れのパリに上京する。リュシアンの先輩格となる、世渡りの旨いジャーナリスト(ヴァンサン・ラコスト)に「金のためなら魂を売らないと」と言われ、私欲に世界へ足を踏み入れていくリュシアンだったが、「嘘の記事や批評に価値なんてない。真実で戦え」と忠告する作家のナタン(グザヴィエ・ドラン)の登場でドラマがさらに動き出す。

 セザール賞で7部門を獲得した時の気持ちについて、ヴォワザンは「すべてのカテゴリーで受賞するといいなと思っていました。結果的に最優秀作品賞を含む7冠を獲得することになったわけですが、このチームが評価されたということでうれしかった」とコメントしている。

 また、12月23日より前売り券(全国特別鑑賞券)が、上映劇場窓口、メイジャーオンライン、ムビチケ販売サイトにて発売。前売り特典として、メイジャーではオリジナルポストカード2枚セット、ムビチケではオリジナルスマホ壁紙がプレゼントされる。

■公開情報
『幻滅』
2023年4月14日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
出演:バンジャマン・ヴォワザン、セシル・ド・フランス、ヴァンサン・ラコスト、グザヴィエ・ドラン
監督・脚本:グザヴィエ・ジャノリ
配給:ハーク
配給協力:FLICKK
2022年/フランス映画/フランス語/149分/カラー/5.1chデジタル/スコープサイズ/原題:Illusions perdues/字幕:手束紀子
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