なお、観客の男女比は男性が55%・女性が45%と、スーパーヒーロー映画としては女性の比率が比較的高い結果となっている。人種・民族の割合では、黒人が34%、白人が31%、ラティーノが21%、アジア系ほかが14%。客席の豊かな多様性も『ブラックパンサー』シリーズの特徴と言ってさしつかえないだろう。

　すでに本作は海外市場でも1億5000万ドルを記録しており、全世界累計興収は3億3000万ドルとなった。前作の13億ドルには届かないとの予想だが、前作との大きな違いは、ともに巨大市場である中国・ロシアでの劇場公開が今回は難しいこと。前作は中国だけで1億ドルを稼ぎ出しているため、ギャップの大きさがよくわかるというものだ。海外市場で優れた成績を記録したのはイギリス・フランス・メキシコ・韓国・ブラジル。日本は『すずめの戸締まり』に首位を譲ったため、主力市場では唯一No.1を獲得できなかった。

　コロナ禍以降、ディズニーは劇場公開の45日後を基準に、ディズニープラスにおける映画の配信をスタートさせている。もっとも北米における興行の勢いはしばらく続きそうで、少なくとも『アバター／ウェイ・オブ・ウォーター』が公開される12月16日までは安泰と見られている。Deadlineによると、ディズニープラスでの配信を年内に開始する計画はないということだ。

北米映画興行ランキング（11月11日〜11月13日）

1.『ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー』（初）
1億8000万ドル／4396館／累計1億8000万ドル／1週／ディズニー

2.『ブラックアダム』（↓前週1位）
860万ドル（前週比-52.9%）／3603館（前週比-382館）／累計1億5112万ドル／4週／ワーナー

3.『チケット・トゥ・パラダイス』（↓前週2位）
610万ドル（-28.6%）／3640館（-426館）／累計5651万ドル／4週／ユニバーサル

4.『シング・フォー・ミー、ライル』（↑前週6位）
320万ドル（-5%）／2486館（-519館）／累計4084万ドル／6週／ソニー

5.『Smile（原題）』（↓前週4位）
233万ドル（-41.5%）／2271館（-775館）／累計1億277万ドル／7週／パラマウント

6.『Prey for the Devil（原題）』（↓前週5位）
201万ドル（-48.4%）／2164館（-816館）／累計1696万ドル／3週／ライオンズゲート

7.『イニシェリン島の精霊』（→前週7位）
170万ドル（-17.4%）／960館（+65館）／累計578万ドル／4週／サーチライト・ピクチャーズ

8.『ONE PIECE FILM RED』（↓前週2位）
144万ドル（-84.5%）／2213館（-154館）／累計1276万ドル／2週／クランチロール

9.『Till（原題）』（↓前週8位）
61万ドル（-66.6%）／1358館（-778館）／累計803万ドル／5週／UAR

10.『Armageddon Time（原題）』（↑前週12位）
35万ドル（-55.6%）／981館（-25館）／累計158万ドル／3週／Focus Features

（※Box Office Mojo調べ。データは11月14日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります）

参照

https://www.boxofficemojo.com/weekend/2022W45/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/black-panther-wakanda-forever-box-office-sequel-1235260713/
https://variety.com/2022/film/box-office/box-office-black-panther-wakanda-forever-marvel-steven-spielberg-fabelmans-1235431385/
https://deadline.com/2022/11/box-office-black-panther-wakanda-forever-1235169891/
https://deadline.com/2022/11/black-panther-wakanda-forever-opening-global-international-box-office-1235167682/

■公開情報
『ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー』
全国公開中
監督：ライアン・クーグラー
製作：ケヴィン・ファイギ
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
©︎Marvel Studios 2022