『舞いあがれ!』福原遥の“本物”の声にスタッフ陣も感銘 努力と奇跡が詰まった撮影裏

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第6週「スワン号の奇跡」第28話にて、舞(福原遥)たち「なにわバードマン」の夏が終わった。

 サークル部員一人ひとりが青春の全てを懸けた、舞がパイロットとして乗るスワン号の記録飛行は、飛行時間10分、飛行距離3.5km。目標としていた女性パイロットの世界記録15.44kmには及ばなかったものの、琵琶湖の上空を舞ったスワン号と舞の勇姿に刈谷(高杉真宙)をはじめとした部員たちは胸を熱くさせた。「空飛んでる時、このために生まれてきたんちゃうかって思ったんです」と舞は由良(吉谷彩子)に空への憧憬を打ち明ける。

 撮影は劇中に登場する「イカロスコンテスト」のモデルになっている実際の大会でもお馴染みの琵琶湖で行われた。「人力飛行機ってすごくデリケートなものなので、風が強いとなかなか飛ぶのが難しいんですよ」と制作統括の熊野律時は琵琶湖でのロケを振り返る。安全面を第一に、時には風が弱まるのを1時間待つということも。撮影はじりじりと進んでいき、キャスト・スタッフ一同は人力飛行機が飛ぶということがどれだけ繊細で大変なことなのかを実感したようだ。

 安全上のため、舞を演じる福原遥は人力飛行機が地面を滑走していくシーンのみ、ペダルを漕いでいる。熊野は発進する際の「ペラ回します!」という舞の掛け声に感銘を受けたという。

「福原さんが力強く、太い声を出された時は、みんなの作ったこの飛行機を背負って飛ぶという舞の覚悟が見えて感激したんですよね。実際にトレーニングを一生懸命に頑張ってやってきていたり、そこまで積み上げてきた部員とのお芝居ということが福原さんの中で積み重なっていって出てきた舞の声は素敵でした」

 また、『舞いあがれ!』では撮影カメラにドローンが多用されている。ドローンを積極的にロケで活用しようというのはチームの方針として最初からあったようだ。琵琶湖での撮影はもちろん、印象深いのは五島で幼い舞(浅田芭路)が一太(野原壱太)たちとともにばらもん凧をあげるシーン。『舞いあがれ!』の撮影チーフ・大石理沙が綴っているブログには、ドローンカットが撮れたのは奇跡に近い状況だったことが明かされている。

「2mのばらもん凧をあげるために必要と想定された風速が約5m/s。対して、ドローンが安全に安定して飛行し、撮影できるのが風速5m/s程度が限度。つまり、風速が5m/sより強くても弱くてもこのカットは成立しなかった」というのだ。

 ダイナミックなシーンの裏側には、キャストだけでなく、スタッフ陣の類まれなる努力と天候を味方に付けた運もまた要素として加味されている。

参照

https://www.nhk.or.jp/osaka-blog/474609.html

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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