『家庭教師のトラコ』正しくお金が使われる世界を作りたい橋本愛 陰で支える中村蒼の決断

  ドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)がクライマックスを迎えている。8月31日放送の第7話で明かされるのは、トラコ(橋本愛)の過去と本当の狙い。福多(中村蒼)と再会する2017年を軸に、2人が児童養護施設で過ごした2004年の過去、3つの家族の家庭教師を進行させている2022年の現代と3つの時代を行き来しながら、物語は進んでいく。

 この第7話は2017年の時点でトラコと福多がそれぞれ3つの家族に出会っていたり、福多の里親が初登場したりと、非常に情報量が多い回だ。だが、真ん中にあるのはトラコから福多に出される「年収600万の人と300万の人、どっちが幸せでしょう?」という問いかけだ。

 財務省で働く福多は家庭教師をやっているというトラコと再会し、彼女の「世界を変えたい」という思いを知る。不条理にお金が使われていることへの憤り。本当に必要なところにお金が届く世界を作りたいーー児童養護施設で育てられたトラコは多少の危険も顧みずに、正しくお金が使われる世界を作るため、がむしゃらに次のステップへと進むための力を蓄えようとしていた。

 国のお金の使い道を決める機関にいながら、ひたすら上司の顔色を伺うばかりの毎日を送っていた福多はトラコを応援するために財務省を辞める。年収600万円から300万円……いや、それ以下かもしれない収入になったとしても、正しくお金が使われる世界を作ろうとするトラコを応援する、というのが福多が出した幸せの答えだった。

 「俺はもう一人にしたくない。ずっとそばにいて、お前と奇跡を起こしたい」ーープロポーズとも取れる言葉で福多はトラコを説得。漫喫暮らしだったトラコをマンションに誘い、彼女を今の家庭教師スタイルにプロデュースしていたのはすべて福多だったことが明かされる。トラコのコスプレ好きと各家庭によってキャラを変えるという設定は、その方が早く心を開いてくれるだろうという考えから。「教育方針には絶対口を出さない」「授業中は部屋を絶対覗かない」の2つは、子供と1対1で向き合えて親の干渉も防げるため。「勉強を教える日は、その子の家に泊まる」は、その家の問題や秘密を早く見つけられるように。授業料を各家庭に決めてもらうのは、正しい金の使い方が大事だと意識づけるからと、今の「家庭教師のトラコ」が誕生するまでのエピソード0が語られていく。無愛想だったトラコの表情が徐々に柔和になっていくのが印象的だ。

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