『ちむどんどん』効果で沖縄料理ブーム到来か 暢子や賢秀の好物は現地でどう食べられてる?

 また、『ちむどんどん』のフーチャンプルーの調理シーンが印象に残っている。フーチャンプルーや豆腐チャンプルーは、周りの食堂や、民宿をやっているお家、それぞれ入っている具材や味が違って、どこでいただいても美味しい! 豆腐、玉ねぎ、ニラ、卵、お肉はスパムが入っていることが多い。自宅で作ってみても、どうもお店のような味にならないと感じていたところ、作中でフライパンに溶き卵を入れるシーンに目が釘付けになった。作っている様子を動画で見たことで「卵はこのタイミングか」と腑に落ち、それまでより美味しいチャンプルーを作れるようになった。

 沖縄の天ぷらも、引っ越してから初めて味わったものの一つ。地域行事の打ち上げなど、人が集まるときに出ることが多い。チキンナゲットに近い、フリッターのようなふわふわの衣で、子どもたちにはスナック感覚、大人にはおつまみとして人気がある。

 沖縄・石垣島には、半径2キロ内に20店舗近く鮮魚店があるほど、魚を扱う店舗が多い。ほとんどの店で天ぷらも扱っていて、店先で食べられるお店や居酒屋や寿司屋を併設している店もあり、刺身と天ぷらとビールを楽しむ人たちの姿を見かけることもある。私自身、天ぷらを作ったことはないものの、刺身と天ぷらを買って帰ることが多い。

 暢子(黒島結菜)の大好物、サーターアンダギーも、馴染みがある。スーパーに行くと、必ず「サーターアンダギーミックス」があって、何度か購入して子どもたちと作ったことがある。スーパーは地域色があり、ジューシーやタコライスの素などを見かけるとつい手が伸びる。賢秀(竜星涼)が愛する豚。豚肉コーナーは、やはりとても充実している。一般的な薄切り肉などに加えて、ラフテー用の塊肉や骨付きのソーキなどバラエティに富んでいる。

 智(前田公輝)の実家、砂川豆腐店で作っていた島豆腐とゆし豆腐も美味しい。暢子が朝食べていたとろとろのゆし豆腐は、にがりを入れて固まり始めた状態の豆腐。スーパーでも島豆腐やゆし豆腐が温かい状態で届くのを待つ人も多い。本州では規定により販売できないため、アツアツの豆腐は沖縄でのみ購入できる。

 ゆし豆腐は、大豆を水で煮て絞るのではなく、水に浸しふやかしたものを挽いて絞る“生絞り”で作る。大豆濃度が高く、大豆本来のうまみが強い。そのまま食べても美味しいが、出汁を加えて塩や醤油で味を整え、刻んだネギをかけて食べることが多い。温泉卵を落とすのも絶品! ゆし豆腐は、沖縄そばの上にゆし豆腐をのせる「ゆし豆腐そば」も食べられている。

石垣島の人気店のゆし豆腐/筆者撮影

 筆者自身、食べることが好きなので、暢子の「食べるの大好き」な気持ちに共感しながら番組を観ている。印象に残っているのは、お父さんとそばを作るシーン、智のところで豆腐を美味しそうにほおばるシーン。気になった沖縄料理を、ぜひ食べてみてほしい。

参照

※1. https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1525798.html
※2. https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/998398

■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK

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