ジェイソン・ブラムが語る、10年越しにスコット・デリクソンと作った『ブラック・フォン』

ブラムハウスの考える“ホラー映画”に大切なこと

――観客は、この映画でどんな恐怖を期待すべきだと思いますか?

ブラム:観客は間違いなく、最も怖い作品を期待できます。本作についての良い言葉は、“怯えさせる”というものですね。この映画は素晴らしいホラー映画だけがやれるようなやり方で、とても怯えさせてくれます。だから、怖いということ以外に、アドレナリンをみなぎらせる。だから、もしあなたが怯えたかったら、『ブラック・フォン』を観に行くべきです。

――恐怖や怯えさせてくれる以外に、兄妹の繋がり、死者との友情といった要素が、物語の中でとても見事に描かれていました。そのような感情に訴える、この映画の人間ドラマの要素についてはどのように感じていますか?

ブラム:カーギルとスコットとイーサンと僕がよく理解していることは、ホラー映画で最も重要な部分が、恐怖や、誰かがどう死ぬかとか、血ではないこと。それは、感情なんです。キャラクター同士のドラマなんですよね。この映画の場合は、家族同士の。この映画の核は、暴力的な父親と、お互いに庇い合っている2人の子供についてのストーリーです。この映画はまた、酷い状態の家族についてのちょっとしたメタファーでもあります。それがこの映画の一番いい部分です。この映画に怯えてしまう理由は、そのドラマがとてもうまく描けているから。脚本と演出のおかげであり、演技がとても大きな要因になっていると思います。子役たちはとても才能に溢れていましたね。

――フィニー役のメイソン・テムズ、グウェン役のマデリーン・マックグロウを抜擢したのはどんな経緯ですか?

ブラム:多くのホラー映画に子供たちが出てくるのは、子供たちが危険な目に遭うのを見るのがとても怖いからです。キャスティングをしているのは、ブラムハウスの会社のエグゼクティブであるテリー・テイラー。彼女とは、『パラノーマル・アクティビティ』の2作目で会ってから、約10年間一緒に仕事をしています。『フッテージ』のキャスティングもやっているのですが、彼女はどんどん、若い俳優や子役を識別するのが上手くなっています。いいキャストを見つけられるのは、本当に彼女のおかげなんです。スコットもイーサンもとても彼女のことを気に入っていて、僕は彼女にとても頼っています。僕と意見が合うのは、良い映画を作るには、なによりも「演技が信じられるものでないといけない」ということを彼女が理解しているからなんです。

――ブラムハウスの映画を作るとき、重要なことはなんですか? あなたのブランドには特定のルールはあるのでしょうか?

ブラム:僕たちにとって最も重要なのは監督です。当たり前に聞こえるけど、監督が誰かということをあまり重要視しないスタジオがあるんです。経験のない監督たちと仕事をするスタジオがたくさんありますが、僕らは滅多にそういうことはしません。僕は監督を信頼するし、多くの経験を持った監督たちを選びます。それ以外は「誰が映画に出ているか? ストーリーは辻褄が合っているか?」といったことを見ていきます。それと、僕たちがどの映画を作るかを選ぶときに考えることは、その映画に“市場性”があるかどうか。もし素晴らしい映画を作っても、それを誰も観なかったら、とてもがっかりするしますから。だから「その映画をどうやって市場に出すか?」の質問に答えられるようにしたいんです。例えそれが、自分たちが思っているようにマーケットされないとしてもですね。もし誰かが僕らに、「この映画をどうやって売るの?」と聞いてきたら、その質問に、明確に、正確に答えられるようにしたいんです。

――そういった見方は、様々な作品を手がけてきたあなたの経験から来ているのですか?

ブラム:それは、良い映画と悪い映画を作った僕の経験から来ていますね(笑)。

――最後に、日本のホラー映画ファンにメッセージをお願いします。

ブラム:ハロー、日本のみなさん、ジェイソン・ブラムです。怖い映画を観てくれて、ありがとう! ブラムハウスの作品だけでなく、いろんな国の、あらゆる種類のホラーの良さを認めてくれてありがとう! あなたたちが『ブラック・フォン』を気に入ってくれることを願っています!

■公開情報
『ブラック・フォン』
全国公開中
製作:ジェイソン・ブラム
監督:スコット・デリクソン
原作:ジョー・ヒル『黒電話』
出演:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ
配給:東宝東和
(c)2021 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone
公式Twitter:@uni_horror
公式Instagram:@universal_eiga
公式FaceBook:@universal.eiga

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