『チェリまほ』などで“理想的な彼氏”役をコンプリート　赤楚衛二演じる“子犬系男子”に注目

　また、それに続く出演作『SUPER RICH』（フジテレビ系）は、お金はあるが愛に飢えた家庭で育った氷河衛（江口のりこ）が共同CEOを務めるベンチャー企業に、貧乏だが愛に溢れた家庭で育った専門学生の春野優（赤楚衛二）がインターンとしてやってくる物語。日々困難に直面する衛を春野が懸命に支え、会社の未来や彼女の人生をも大きく変えていった。実力は皆無だが、社長のために必死に動き、生意気にも癒そうとしてくるところなど、年上女性からしたら放っておけない存在。『チェリまほ』では食べるシーンが特徴的だったが、本作では赤楚演じる春野が料理を振る舞う場面も。しかし、美味しそうに食べるシーンは変わらずで、「これぞ子犬系男子の真骨頂」とも言える演技を見せる。そして、町田啓太が社長秘書的な役回りで、赤楚とは社長を巡っての恋敵というのも『チェリまほ』ファンにはたまらない再共演が話題となった。

　これまで、同性、年下、年上女子の理想的な彼氏役をコンプリートし、まさに達人の領域に達した赤楚だが、他にも、2020年の映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では、誰かを傷つけないように本当の思いを隠し、心に蓋をして振る舞う切ない高校生役を、2021年の映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』では、鬼だけど捨てられてたガラケーを唯一の友達して大事にするなど、人間らしさが垣間見える天邪鬼役を演じた。また、2020年の映画『映像研には手を出すな！』ではロボットへの愛が誰にも負けないロボット研究部員など、幅広い役柄を演じてきたが、全てに共通するのは相手を優しく包み込む献身的な役柄であること、皆から愛される存在だということだ。それが嫌味なくできるのは、純真な役柄を演じる等身大＝憑依型の演技力と、ビジュアルを含む天性の可愛らしさ持つ赤楚だからこそのこと。ヒロインだけでなく、視聴者の期待も裏切らないところが彼の強みだ。ただ、2022年の映画『決戦は日曜日』では議員の若手秘書役を演じ、物事をストレートに言ったり、悪い方向へ政治に染まってしまうなど、ピュアさが間違った方向で生かされた役を演じた。今後もこれまでのキャラクター性を面白くいじったり、ピュア過ぎてサイコパスな悪役など、さらなる役の広がりが期待される。

　さて映画『チェリまほ THE MOVIE』では、安達に転勤で遠距離恋愛という展開を迎える。遠距離恋愛はすれ違いを生むものであり、また年齢的にも現実として将来を考えるきっかけにもなる。ドラマは恋愛の良い部分ばかりがフィーチャーされていただけに、この難しい問題を2人はどう乗り越えていくのか。大画面で見る赤楚の様々な感情を訴える目と食べっぷり、そして可愛らしさをぜひ堪能したい。

■公開情報
『チェリまほ THE MOVIE ～30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい～』
全国公開中　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出演：赤楚衛二、浅香航大、ゆうたろう、草川拓弥（超特急）、佐藤玲、鈴之助、松尾諭、遠山俊也、榊原郁恵（※榊原郁恵の「榊」は正しくは「木」へんに「神」）、鶴見辰吾、松下由樹、町田啓太
原作：豊田悠『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』
監督：風間太樹
脚本：坂口理子
プロデューサー：本間かなみ、井原梓、熊谷理恵
配給：アスミック・エース
制作プロダクション：ラフ・アット
製作：『チェリまほ THE MOVIE』 製作委員会
(c)豊田悠／SQUARE ENIX・「チェリまほ THE MOVIE」製作委員会
公式サイト：https://cherimaho-movie.com
公式Twitter：@tx_cherimaho
公式Instagram：@cherimaho_movie