『最愛』には出演者・スタッフの愛が詰まっている　大満足の特別ブックレットを解説

　さらに、その演出家たちの意向をキャストたちがどのように感じていたかという視点も、2冊目の『吉高由里子×松下洸平×井浦新 プレミアムトークwith新井P』で紐解かれるのがたまらない。吉高らの口から語られる撮影現場のエピソードは、もはやもう一つの世界線で起きた事件の数々だ。

　例えば「カップ麺が3分待つことを知らなかった塚原監督VSすぐに食べられない吉高＆井浦」事件。こちらのシーンは本編ではオンエアされなかったものの特典未公開シーンとして収録されているのも嬉しい。

　また「遺体としてプカっと浮かびたいスタントマンVS必死に沈めようとする犯人VSなかなかカットをかけない監督」の図。寒い池の中でまさに死闘が繰り広げられていたこと。それがあの人にとってクランクアップの日だったというのも、最後まで妥協のない現場であることがわかる。

　さらに、メイク室での初対面にも関わらず「大輝になりきっていた松下VS渡辺康介役の朝井大智」が勃発していたことなど、後日談が次々と出てくる。それだけ全員がこの作品に没頭していたのだと思うと、さらに愛しさが増していく。

　彼らのトークはさらなる盛り上がりを見せ、あったかもしれない別エンディングを想像する場面も。「加瀬ならきっとこんな生活をするに違いない」「そしたら大輝はきっとこんなリアクションを取るはず」「いやいや優（高橋文哉）も黙っていないはず……」と妄想が止まらない。

　たとえドラマ本編が終わったとしても、そんな“If”を語り合うことができるのは、それぞれのキャラクターを愛していればこそ。オリジナル脚本で作られた物語ではあるものの、この世界のどこかで今も生きているのではないかと思わずにはいられない。演じたキャスト陣さえも、そんなふうに役柄たちのその後に思いを馳せて楽しむことができる作品に出会えたという点でも実に幸せな気持ちになる。

　「誰が犯人なのか」サスペンスとしてはそれが最も注目するところでもある。ラブストーリーについても「誰と誰が最終的に結ばれるのか」というのが大きな目玉。だが、この作品においてはすでに本編がオンエアされた時点で、その結末はわかっていてもなお何度も見返したいと思う視聴者も多いことだろう。

　それはもう経験したことだけが記されているにもかかわらず、アルバムや日記を開きたくなる感覚に近いのかもしれない。そこに確かにあった愛情を、その愛に触れて心が震えた時間を、鮮明に思い出したい。きっとキャスト、スタッフ、そして視聴者にとって、そんな“最愛”がこの作品には詰まっているのだ。あの夢中になった1クールを、ぜひ何度でも。

■リリース情報
『最愛』
4月8日（金）Blu-ray＆DVD発売
Blu-ray BOX：29,040円（税込）＜4枚組＞
DVD BOX：22,990円（税込）＜6枚組＞

本編：全話ディレクターズカット（全10話）
特典映像：
1.直前ナビ「究極のサスペンスラブストーリー その真相に迫る」完全版
2.ロングインタビュー集（吉高由里子　松下洸平　井浦新　田中みな実　及川光博　薬師丸ひろ子）
3.オールアップ集
4.未公開シーン集
5.ＮＧ集
6.「最愛」×「君に夢中」 それぞれの“最愛” Long Trailer
7.「最愛」デジタルサイネージ探訪 with津田健次郎
8.「最愛」赤ペン瀧川が徹底解剖！完全版
9.SPOT集

封入特典：ディレクターズノート（28P）、リミテッドファンブック（36P）

【先着購入特典】
・Amazon.co.jp：マフラータオル（大学ロゴ入り）＋メーカー共通特典（ポストカード3枚セット）
・楽天：ビジュアルシート2枚組＋メーカー共通特典（ポストカード3枚セット）
・メーカー共通特典：メーカー共通特典（ポストカード3枚セット）
・TBSショッピング：フォトフレーム／ブロマイド5枚セット＋メーカー共通特典（ポストカード3枚セット）

出演：吉高由里子、松下洸平、田中みな実、佐久間由衣、高橋文哉、奥野瑛太、岡山天音、薬師丸ひろ子（特別出演）、光石研、酒向芳、津田健次郎、及川光博、井浦新
脚本：奥寺佐渡子、清水友佳子
プロデュース：新井順子
演出：塚原あゆ子
編成：中西真央、東仲恵吾
主題歌：宇多田ヒカル「君に夢中」（ソニー・ミュージックレーベルズ）
製作：TBSスパークル、TBS
発売元：TBS
発売協力：TBSグロウディア
販売元：アミューズソフト
(c)TBSスパークル／TBS
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/saiai_tbs/
Blu-ray&DVD特設サイト：http://www.amuse-s-e.co.jp/title/saiai/