韓国ドラマ、どこで観る? Disney+、Apple TV+、Amazon Prime Video、それぞれの特色

 2022年3月の第1週末、Netflix Japanの「今日の総合TOP10」のうち、TOP1のキム・ヘス主演『未成年裁判』ほか、実に8作品が韓国ドラマとなった。『39歳』『二十五、二十一』『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』など、この春の話題作にKゾンビの新機軸『今、私たちの学校は…』ほか、『愛の不時着』『梨泰院クラス』も今なおランクインしている。

『愛の不時着』Netflixにて独占配信中

 全米TV賞を席巻中の『イカゲーム』の存在や、『愛の不時着』、『梨泰院クラス』が現在の韓ドラブームの火付け役だったこともあり、韓国で放送されたばかりのドラマやオリジナル作品をNetflixで楽しんでいる人は多いだろう。また、見放題作品数No.1(※1)を誇り、韓国ドラマ・映画の旧作や近年のヒット作、最新作まで豊富なU-NEXTも日本では根強い支持を集め、スタジオドラゴンが企画・制作する最新ドラマ『流れ星』を4月22日より日本初・独占配信することを発表したばかり。そして今、定額制動画配信サービスとしては新興のDisney+やApple TV+にもオリジナル韓国ドラマが続々と登場している。早速それぞれのサービスの特色をみていこう。

Amazonプライム・ビデオ:日韓同時配信作から最新ラブコメ『ユミの細胞たち』まで

 まずは、邦画・洋画・アニメ・バラエティなどの多様なラインナップや、『ザ・ボーイズ』をはじめオリジナル作品に定評のあるAmazonプライム・ビデオ。ライバルNetflixの躍進を意識するかのように、昨今は見放題独占配信作品に力を入れており、人気俳優ソン・ヘギョの3年ぶりの主演ドラマ『今、別れの途中です』が韓国での放送終了から3週間ほどで日本上陸。同作で相手役を務めるチャン・ギヨン出演の『九尾の狐とキケンな同居』や、『だから俺はアンチと結婚した』などラブコメのほか、ファン・ジョンミン8年ぶりのドラマ出演作で少女時代・ユナと共演したヒューマンドラマ『ハッシュ ~沈黙注意報~』などもある。

『ユミの細胞たち』(c)STUDIO DRAGON CORPORATION

 中でも、3月4日より配信開始となった『ユミの細胞たち』は『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のキム・ゴウンと『梨泰院クラス』のアン・ボヒョンが新境地を見せ、ディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』のごとく、ユミを構成する“細胞たち”が3Dアニメーションになってキュートなスパイスを与える。

 日韓同時配信で話題となった『ある日~真実のベール』は、アメリカHBOでも『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』としてリメイクされた英ドラマ『Criminal Justice(原題)』が原作。兵役後、『サイコだけど大丈夫』がヒットしたキム・スヒョンがある日突然、無実の罪で収監されてしまうごく普通の大学生を演じて感情演技を炸裂させ、最近では食バラエティ『三食ごはん』で知られるチャ・スンウォンが飄々とした冴えない弁護士を好演した。

『ある日~真実のベール』(c)2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved

 また、2021年の本国での話題作『怪物』も全話配信中。韓国のゴールデングローブ賞といわれる第57回百想芸術大賞の作品賞ほか数々の賞を受賞、閉塞的なコミュニティを舞台に韓国サスペンスの真骨頂を見せつけている。連続猟奇殺人犯を追う刑事を演じるシン・ハギュンと若きエリート警部補を演じるヨ・ジングの凄みのある演技や変化していく関係性の妙味、『イカゲーム』ホ・ソンテ、『地獄が呼んでいる』キム・シンロク、『恋慕』ナム・ユンスなど、旬な脇役キャストも見逃せない。

 「怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。長い間、深淵をのぞきこんでいると、深淵もまた、君をのぞきこむ」というニーチェの格言が脳裏をよぎる、“怪物”のような作品は時を忘れて見入ってしまうだろう。

 なお、2020年8月に登場した専門チャンネル「韓国ドラマ・エンタメ Channel K」には『私の名前はキム・サムスン』『太陽を抱く月』『トンイ』など、観ておいて損はない名作が目白押し。日本のカルチュア・エンタテインメントと韓国の地上波放送局・SBSとの合弁会社PLAN Kエンタテインメントも、この3月よりアジアコンテンツ専門チャンネル「ドラマ&エンタメ☆アジアPremium」をスタートさせ、SBS以外にもMBC、KBSなど韓国主要テレビ局で制作された作品を扱っていくという(※2)。

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