中村倫也に聞く、刺激をもらった出会いとこれから 「+αをもたらせるような人に」
人生の門出を祝う“結婚式”。家族、友人、同僚、先輩、元カレ、謎の男……。そして、新郎新婦が集う晴れのイベントの裏では、この日を取り仕切るウェディングプランナーの奮闘と、各々が内に沸々と抱える思いがあったーー。そんな、バカリズムによるオリジナル脚本で大九朋子が監督を務めたコメディ映画『ウェディング・ハイ』が公開中だ。
今回、リアルサウンド映画部では、本作で流されやすい新郎・石川彰人役を演じた中村倫也にインタビュー。『美人が婚活してみたら』『私をくいとめて』に続く大九監督との関係性や、これまで刺激を受けてきた先輩たちとの出会いを受けて、これからの“なりたい自分”について話を聞いた。
中村倫也が結婚式に行ったら?
ーー劇中で結婚式を挙げたことで、結婚式のイメージに変化はありましたか?
中村倫也(以下、中村):あまり結婚式に行ったことがないんですけど、大変だなと思いました。選択しなくてはいけないけど、「これはこういうものです」という決め事が多いことを知りました。
ーー結婚式に行かれると、どんなふうになるタイプですか? 感動して泣いたりとか……?
中村:しませんね(笑)。「おいしいね」って飯食って、「よっ!」って言って。
ーー(笑)。会場では笑いが起きてましたが、撮影中も賑やかでしたか?
中村:スピーチや余興を登場人物同様、役者の皆さんも練習してきていて、それを撮影で見たときは自然と歓声が上がりました。あまり撮影中に素笑いするタイプじゃないんですけど、現場では(皆川)猿時さんのリアクションが細かく、大きく、面白くて。それを見てずっとニヤニヤしていました。
ーー大九監督作品への出演は、『美人が婚活してみたら』『私をくいとめて』などに続き本作が4度目となります。
中村:いろんな現場で「ここちょっと20秒くらいフリートークしといて」みたいなのがよくあるんですが、いつも何しようかなって困りますね(笑)。劇中の前半で式場のことを2人で相談しているときに、モノローグが多かったので、そのバックでしばらくしゃべってた時は、大体話が前進しないトークをやっていたような気がします。多分あまり使われてないと思うけど(笑)。
ーー大九監督の現場はそういうのが多い?
中村:「なにそれ?」みたいなちょっと不思議な動きを求められたり、なかなかカットをかけずに何か出ることを期待しているときがあったり。そうなるとなんかしなきゃって。ほっとけば何かやると多分思われているんでしょうね(笑)。それが大九さんと僕との関係性なんだと思います。
ー-大九監督はどんな方だと思いますか?
中村:なんだかんだすごく乙女なところがあるのかなと思います。大九さんはサバサバしていて、ガハハと笑う人なんですけど、撮影や演出の仕方とか、出来上がった作品を観ても、とても乙女だなと。
ーー脚本はバカリズムさんによるオリジナルです。
中村:読みながら爆笑しました。改めて結婚式というイベントにはこれだけたくさんの方々が参加しているのだと。そしてそれら一人一人にカタルシスと笑いを作れるのはすごいなと尊敬します。
ーー劇中で新郎新婦の上司によるスピーチ対決が繰り広げられますが、中村さんも舞台挨拶などで話をされる場面が多いと思います。その時は、劇中の上司たちのように笑いを起こせたら、内心「よし!」と思ったりしている?
中村:思わないです(笑)。作品の世界観を壊さないことを前提に、基本的には「これ言わなきゃな」ということだけ考えて、観に来てくれたお客さんの前でしゃべるなら楽しんでもらえたらいいなというくらいの気持ちで、現場のノリでやっていますね。
ー-人前で話すのは、どちらかというと得意なほうですか?
中村:「しゃべらせろ」という感じではないけど、やるとなったらそれもエンターテインメントだから、ちゃんとやらなきゃいけないなと思います。やる以上は、人前も慣れているし、なんとなくこういうことを話して、こういう脱線の仕方をしてもありだなみたいに、一応は考えながら。元々は苦手でしたが、台詞がなくても喋れる役者でいたいなと思うし、失敗を重ねた上で、気楽にやれるようにはなってきましたかね。