映画監督カップルが島で聖地巡礼をする様子も 『ベルイマン島にて』場面写真公開

 ミア・ハンセン=ラヴ監督による新作映画『ベルイマン島にて』の場面写真が公開された。

 スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシらに多大な影響を与えた映画監督イングマール・ベルイマン。ベルイマンの熱狂的な支持者であるハンセン=ラヴ監督が、ベルイマンの原風景と言われるスウェーデンの島を舞台に、創作活動も夫婦関係も停滞中の映画監督カップルの物語を紡いだ。

 主人公の映画監督クリスに扮するのは、『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープス。クリスのパートナーであり同じく映画監督であるトニーを『海の上のピアニスト』のティム・ロスが演じた。劇中劇として映像化されるクリスの次回作には、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ、『パーソナル・ショッパー』のアンデルシュ・ダニエルセン・リーが登場する。

 フォーレ島スウェーデン本土の南東海岸に位置する、バルト海に浮かぶ島。ベルイマンが魅せられた神秘的な自然や郷愁を誘う風車、そして彼が公私共に時を過ごした家屋や傑作を生みだしたロケ地などが現存することから、いつしか映画ファンから「ベルイマン島」と呼ばれるようになった島だ。

 公開されたのは、映画監督カップルのクリス(ヴィッキー・クリープス)とトニー(ティム・ロス)が、フォーレ島で過ごした北欧での夏時間、そしてクリスが自身の初恋をモチーフに脚本を手掛けた劇中劇を切り取った場面写真。ベルイマンをリスペクトするクリスとトニーにとって、彼が実際に暮らし、傑作を生みだしたこの島は文字通り“聖地”。そこを訪れるだけでなく、実際に撮影に使われた部屋に滞在して仕事できるのは、ファンにとって夢のような体験。劇中に登場する部屋(実際にベルイマン監督作の撮影に使われたり、彼の仕事部屋)には、どれも木をふんだんに使ったインテリアが。陽光に包まれる巨匠の仕事部屋に吸い寄せられるクリスを切り取ったカットとなっている。

 そこかしこに巨匠の息吹が宿る島や部屋での旅暮らしの中で、クリスは自身の実らなかった初恋を投影した次回作の脚本執筆に取り掛り、その構想は本編中でエミリー(ミア・ワシコウスカ)を主人公とした劇中劇として描かれる。劇中劇を切り取ったカットには、自分ではコントロールできないエミリーの恋の情熱や切なさが詰め込まれている。その他の場面写真には、海に行っても、草原を散歩しても、どこか心晴れない様子のクリスが写っている。

■公開情報
『ベルイマン島にて』
4月22日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラヴ
出演:ヴィッキー・クリープス、ティム・ロス、ミア・ワシコウスカ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー
配給:キノフィルムズ
2021年/フランス・ベルギー・ドイツ・スウェーデン/英語/113分/カラー/スコープ/5.1ch
(c)2020 CG Cinema ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinema
公式サイト:bergman-island.jp

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