『#家族募集します』が届けてくれた幸せな時間 アルバムの新しい1ページを作るときを願って
ジャニーズWESTの重岡大毅が主演を務めた金曜ドラマ『#家族募集します』(TBS系)が、2月9日にBlu-ray&DVDとなって帰ってくる。
『#家族募集します』は2021年7月期にオンエアされ、シングルファーザー&マザーたちがお好み焼き屋『にじや』を舞台に、共に子育てをしながら“家族”になっていく姿が大きな感動を呼んだ作品。約半年を経て、あの笑顔溢れる家族たちに会える。そんな里帰り気分のような楽しみがこの作品にはある。
繋がることを躊躇する今こそ、関わることで生まれる奇跡を
時代の移り変わりによって、家族のかたちは大きく変化していった。核家族化が進んだこと、共働きの夫婦が増えたこと、シングルで子育てをする人が珍しくなくなったこと……それは結婚や子育てを経験した後も個人の価値観を尊重できるようになったというメリットがある一方で、「自己責任」の言葉が重く漂ってしまったように感じる場面も少なくない。
自分の選択によってもたらされたことなのだから、誰かに頼って解決しようとするのは違う。そんなふうに誰にもヘルプを出すことができずに追い込まれてしまう人も少なくない。「誰にも迷惑をかけたくない」と責任感の強い人こそ、息苦しい思いをしてしまいかねない世の中になっているようにも感じる。
その上、2020年以降は未知の感染症という、人と人との繋がりを断絶しかねない災禍までやってきた。そんな閉塞感と孤独感とが蔓延した2021年の夏に、温かな気持ちを思い出させてくれたのが『#家族募集します』というドラマだった。
極端なことを言えば、誰かと繋がることは負担が増えるということだ。その人を気にかけ、できることがあれば手を貸したいと願い、そして実際に動くことになる。1人でいれば使うことのなかったエネルギーを使わざるを得なくなる。
誰かにそうさせてしまうと考えると、心苦しく感じられるのもわかる。だが、それが全くない日々だって寂しいものなのだ。人を想い、泣いて、笑って、「お互い様」だと言える人がいることが、人生にとってかけがえのない時間になる。
この『#家族募集します」という作品は、誰もが繋がることに躊躇してしまいそうな今だからこそ、あえて人と人とが関わることで生まれる奇跡を見せてくれたように思う。