佐藤二朗、映画『さがす』舞台挨拶で手紙のサプライズ　監督へのメッセージで涙ぐむ場面も

　映画『さがす』の公開記念舞台挨拶が1月22日に東京・新宿テアトルで行われ、主演の佐藤二朗をはじめ、伊東蒼、片山慎三監督が登壇した。

　『岬の兄妹』を手掛けた片山監督の商業映画デビュー作となる本作。大阪の下町で平穏に暮らしていた父・原田智（佐藤二朗）と中学生の娘・楓（伊東蒼）だったが、ある時、不穏な言葉を残して父が姿を消してしまう。父を探す娘は、日雇い現場に父の名前があることを知り、「お父ちゃん！」と声をかける。だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男（清水尋也）。失意に打ちひしがれる中、娘が目にした「連続殺人犯」の指名手配チラシにあったのは、日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真だった。

　タイトルにちなみ、「2022年に探して手に入れたいもの」を聞かれた佐藤は、「落ち着きですかね」と即答。昨年まで“精神年齢8歳の52歳”と自称していたそうだが、占い師の星ひとみから精神年齢が6歳と告げられたといい、「まさかの下だった」とがっくり。さらに、先日受けた占いでは「15歳だった」と報告し、「ジャンプアップ。でも15歳ですから、16歳の伊東蒼ちゃんよりはまだ下なんですけど」と笑った。

　その伊東は、「朝起きる方法を手に入れたい」と回答。「それは、どういうことなの？」と詰め寄る佐藤に、「目覚ましをかけるんですけど、その時間に毎日起きられない」と返すと、佐藤は「ダメじゃん、それは。2つかけるとかは？」とアドバイス。しかし、伊東が「2つかけても起きられない」とこぼすと、「あら、すいぶんお寝坊さん」と頬を緩める佐藤。その後も、伊東から「進路の話をしてくださったり、私が撮影シーンの感情が残っている時に声をかけてくださったり、お父さんみたいでした」と見つめられ、「嬉しいね」とデレデレだった。

　また、本作には“唯一無二の衝撃作”とのキャッチコピーがついていることから、「お互いの唯一無二だと思うところ」を聞かれた佐藤は、「この年齢で、この芝居の感性と技術は怪物」と伊東の表現力を絶賛。「1日一緒に撮影しただけで、えらいのがいるなと思いましたからね」と、撮影当初の印象を明かした。

　一方、20年前に初めて出会ったという片山については、「当時は制作の使いっぱしりで、右も左もわからない猿みたいな感じだったヤツが、『岬の兄妹』では繊細に演出していて。まさか20年前に猿だったヤツから、こんなに刺激を受けて、学ぶことになるとは思いませんでした」とし、「成長具合っていうのも偉そうだけど、とにかく猿みたいだったのに、すごくなったの。わかるでしょ？　だいたい」と記者に呼びかけて笑わせた。

　片山は「二朗さんは幅広い役ができる役者さんなので、それをお見せできるといいな」と期待を寄せ、伊東の才能については「理解力が高い。『こうしてください』と言ったことを的確に修正して、演技できるところがすごい」と感心しきり。これには佐藤も「柔らかく変えられるっていうのは大事なことだよね」と頷き、伊東は「嬉しいです」と笑顔を見せた。