ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ニコール・キッドマンら、急逝のジャン=マルク・ヴァレ監督を追悼

 ジャン=マルク・ヴァレ監督が、カナダ・ケベック州ケベック・シティ郊外の山小屋で亡くなった訃報を受け、業界関係者や著名人たちから、数々の追悼の言葉が寄せられている。

 『ヴィクトリア女王 世紀の愛』、『ダラス・バイヤーズクラブ』、『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』、『ビッグ・リトル・ライズ』など、数々の作品を手がけてきたヴァレ監督は、58歳という若さでこの世を去った。死因などの詳細については、現時点では明らかになっていない。

 ヴァレ監督の突然の訃報に対し、彼と一緒に仕事をした者や、彼と親交のある業界人や著名人らが、各々追悼の言葉を述べている。

 『ビッグ・リトル・ライズ』に出演したシェイリーン・ウッドリーは、Instagramのストーリーズに、「非常にショック。きっと明日目覚めたとき、あなたは笑いながら『あれは風刺的な短編映画だよ』って言うんでしょ。現実じゃないって」とコメントし、ストーリーズとは別の投稿文でも、長文で悲しみの想いを綴った。

リース・ウィザースプーン公式Instagramより

 カナダ人ディレクターのタニヤ・ラポイントは、夫であり、ヴァレ監督と同じくケベック出身の映画監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴからのコメントを、Instagramでシェアした。

「おい友よ、どうしてそんなに早くいってしまったんだ。この悲しみをどうやって忘れることができるのだろう。以前、君が言ってくれた言葉『飛び立て、そして輝け、クレイジーダイヤモンドよ』。友よ、愛している」

タニヤ・ラポイント公式Instagramより

 ヴァレ監督と、プロデュースパートナーであるネイサン・ロスの制作会社Crazyroseと、パートナーシップを組んでいる制作会社Endeavor Contentは、声明の中で「ジャン=マルク・ヴァレの作品に対する情熱は、彼が、彼と協力した全ての人に示した気遣いや配慮の大きさと等しいです」「私たちは、プロデュースパートナーとして、また友人として彼と一緒に仕事ができたことを誇りに思います。私たちのプロダクション、同僚を代表して、彼の家族、ネイサン・ロス、チームのみなさま全員に、心からお悔やみ申し上げます」と述べている。

 『ビッグ・リトル・ライズ』と『わたしに会うまでの1600キロ』に出演したリース・ウィザースプーンとローラ・ダーンは、それぞれ「心が傷ついています。友よ、愛しています」、「美しきジャン=マルク・ヴァレ。世界は偉大で純粋な芸術家であり思想家である者のひとりを失い、私たちは愛する友人を失いました。大変心が痛いです」とコメントし、ヴァレ監督を悼んだ。

 『ビッグ・リトル・ライズ』に出演したニコール・キッドマンは、「ジャン=マルク・ヴァレのように、エネルギッシュで活力に溢れ、存在感のある人がいなくなったなんて、信じられません。私の心は打ちひしがれています。彼は私のクリエイティブな世界の中心で、彼が私にとってどれほど重要な存在であるのか、言い表せないほどです。私のキャリアの中でも、最も実りあるプロフェッショナルな経験をさせてくれただけでなく、彼の友情、優しさ、愛は、今後も私にとっての原動力となるでしょう。ビッグサー(アメリカ・カリフォルニア州)の波際で撮影した夜の日々は、いつまでも心に残るでしょう。あの頃は本当に最高の日々でした。あなたのような素晴らしい人と一緒に共有した時間に、いつまでも感謝します。ジャン=マルクよ、永遠に」と、共に過ごした思い出を振り返りながら、追悼の言葉を述べた。

ニコール・キッドマン公式Instagramより

 『ダラス・バイヤーズクラブ』で、主演を務めたマシュー・マコノヒーは、「気遣いのできる優しい心をもったジャン=マルク・ヴァレは、本当に受け取り側の人でした。彼は、人生を美化することはしませんでしたが、ロマンチックな視点から見ていました。痛みへの苦しみから、ウィンクや囁きまで、彼の目からは、あらゆる場所の中に、愛の物語がありました」とコメントを捧げた。

 ヴァレ監督の広報担当者である、バンブル・ウォードは、「彼はクリエイティブな天才でありながら優しくて親切な人です。彼には感謝の気持ちでいっぱいです。誕生日を覚えていてくれて、素晴らしいミックステープを送ってくれました。安らかに」とコメント。

 カナダの首相ジャスティン・トルドーや、トロント国際映画祭のCEOキャメロン・ベイリーからもヴァレ監督へのコメントがよせられた。トルドーは、「ジャン=マルク・ヴァレの映画制作と物語に対する情熱と才能は、比類がないほど素晴らしい。彼は、作品と芸術を通して、ケベック州、カナダ全土、世界にわたり功績を残しました。彼の家族、友人、ファンのみなさんと共に、心からお悔やみ申し上げます」と、賞賛の言葉とともにヴァレ監督を悼んだ。

 ベイリーは「信じられません。ジャン=マルク・ヴァレは天才的な才能をもち、トロント国際映画祭のオープニング『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』とクロージング『ヴィクトリア女王 世紀の愛』の両方を飾った唯一の映画監督です。彼が恋しいです」と、その功績を称えつつ、悲しみの言葉を述べた。

参照

Reese Witherspoon, Shailene Woodley, Denis Villeneuve and More Mourn Jean-Marc Vallée: ‘One of Our Purest Artists and Dreamers’

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