西島秀俊×中村倫也はどんな“ライダー”に? 期待高まる『仮面ライダーBLACK SUN』
先頃公式サイトにて公開されたメインスタッフの対談では、特撮監督の田口清隆が「仮面ライダーは、もう出し尽くしただろうというぐらいパターンがある中、その殻を破って出てくるだけに見たことのない物が出来上がるぞと思っている」と語っており、毎年あの手この手で新作が作られている平成~令和の仮面ライダーとは異なるアプローチになりそうなことを仄めかしている。田口はニュージェネレーションと呼ばれる新世代ウルトラシリーズの基礎を築いた監督として特撮ファンには知られており、ウルトラマンに新風を吹き込んだ田口が仮面ライダーでどんな特撮を見せてくれるのか期待がかかる。
対談の中で「改造人間や怪人という概念、それが生き物として存在したらどうなるんだろう、というところから構築した」と語っているコンセプトビジュアル担当の樋口真嗣は、平成ガメラ3部作(1995年~1999年)の特技監督や、『シン・ゴジラ』の監督(特技監督も兼任)をはじめ、多くの特撮作品に関わっている。意外にも仮面ライダー作品でのメインスタッフ参加は本作が初だが、これまで手がけてきた特撮作品のクオリティに高さを見る限り、『仮面ライダーBLACK SUN』への期待感も高まるというものだ。
白石監督がスタッフインタビューの中で、『仮面ライダーBLACK』の「クジラ怪人が出ているラスト数話が好き」と語っているところは、なかなかマニアックで興味深い。クジラ怪人とは、海洋汚染も臆さないゴルゴムの計画を知って組織を裏切り、BLACKに手を貸す善良な心を持つ敵キャラクターだ。放送終盤の第46話から第50話にまたがって登場し、シャドームーンに敗れて一度は死んだBLACKを蘇らせる重要な役割を果たす。仮面ライダーと怪人とが、時に助け、時には助けられる奇妙な関係を結ぶので、『仮面ライダーBLACK』を観ていた世代の印象に残りやすい怪人だったと言える。白石監督は、「あそこだけは何とか残したい」と語っているところから、ライダーと怪人のバディ的な関係が再現されるかも知れない。
大人も子どもも楽しめるものを目指しているという白石監督の言葉に期待を寄せつつ、配信開始を楽しみに待ちたい。
■配信情報
『仮面ライダーBLACK SUN』
2022年配信
出演:西島秀俊、中村倫也
監督:白石和彌
脚本:高橋泉
コンセプトビジュアル:樋口真嗣
特撮監督:田口清隆
(c)石森プロ・ADK EM・東映
公式サイト:https://www.kamen-rider-official.com/blacksun
公式Twitter:@KR_BLACKSUN