福原遥、『舞いあがれ!』ヒロイン役で新境地へ? 朝ドラに新しい風を吹き込むか
2022年秋より放送されるNHK連続テレビ小説第107作目『舞いあがれ!』のヒロイン・岩倉舞役に福原遥が抜擢された。
福原は本作が朝ドラ初出演にして初ヒロイン役を務めることになる。福原といえば、透明感が凄まじく、初々しくって可憐で華がありながら、ほんわかとした空気感を纏い、とても可愛らしい声も印象的だ。
そんな福原は子役としてのデビュー後に子ども向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(NHK Eテレ)での“まいんちゃん”役で注目を集め、4年もの間番組の顔を務め上げた。
福原の持つ純度の高さゆえ、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)での恋愛体質で若さゆえの無敵感もあって暴走しがちな女子高生役もハマり役だったし、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)でも恋愛に依存しがちで、ともすればストーカー気質な“サリー”役を好演し、サリーの成長物語としての側面も堪能させてくれた。純粋で真っ直ぐだからこそ自分でも持て余してしまう程の過剰な愛情や自己承認欲求を抱えた役どころを違和感なく自然に見せてくれる。
そしてこの透明感、純度の高さは狂気性や薄気味悪さとも実は相性が良い。映画『羊とオオカミの恋と殺人』の中での凶悪な美しき殺人鬼役では、聖母の顔をした悪女のような現実離れした役柄を見事演じ切った。
『ゆるキャン△』(テレビ東京系)では、これまでとは違う彼女の顔が見られた。ソロキャンプが趣味で淡々としたツンデレキャラの主人公・志摩リン役では、声のトーンもいつもより低めに落とし、心中表現や内省を、決して高くはない一定のテンションを保ちながらも軽妙な間合いの一人ツッコミでナレーションとして当てており、なぜだかクスッと笑えてしまう。決して愛想は良くないが、彼女のなんだか憎めない愛くるしさがクセになってしまうのだ。
このリンと近しいテンションの彼女が見られるのが、現在放送中の『アンラッキーガール!』(読売テレビ・日本テレビ系)での主人公・幸役だ。タイトル通り、とにかくとことんツイてない不運続きの役どころを演じており、全く奇をてらっていないながら、あまりに一生懸命でストレートに運がない姿はコミカルで、思わず笑いを誘われる。それと同時に小さな幸せを見つけて噛み締める幸の姿には、温かみだけでなく不思議なことに幸福感さえも滲むのだ。不運の中にあっても無理のないポジティブさを忘れない幸の姿に、いつの間にか惹きつけられている。