前田航基×高田彪我、『おかえりモネ』のリアルな関係はいかにして生まれた?

どんな生き方、働き方をしてもいい

ーー未知(蒔田彩珠)も加えて6人の幼なじみが一堂に会する場面は温かみを感じました。皆さん自身の結束力はどうやって固まっていったのでしょうか?

高田:普段、「さくらしめじ」として音楽をやっているんですけど、その中でもライブではお客さんと音楽を通してつながりを感じるときがすごくあるんです。ライブとは違いますが、幼なじみのみんなは吹奏楽部として、一緒に音楽を奏でて、音楽を通して一体になれたのがすごく大きかったんじゃないかなと。一つの楽器、楽曲を通して、役としても思いや絆が深まったし、高田彪我と前田航基くん個人としても、思いが通じ合えたんじゃないかなと思う部分はありました。

前田:一番最初の撮影が、ちょうど音楽の練習をしているときで。皆それぞれ練習していたものを東京で合わせたんですが、そのときはまだ距離感がなかなか掴めなくて。でも、気仙沼で地元の吹奏楽部の方々と一緒に練習をしていく中で、少しずつ深まっていった感じです。僕たちの撮影は1カ月に1回とか、少し間が空いてしまうときもあったんですが、(清原)果耶ちゃんをはじめ、キャスト・スタッフの皆さんがいつも暖かく迎え入れてくれて。気仙沼チームの撮影に行くと、その瞬間に三生に戻れる感覚がありました。

ーー三生と悠人は、紆余曲折ありながらも地元で働くことを選びました。いろんな働き方、生き方がありますが、2人の生き方を通して感じたものがありましたら教えてください。

高田:地元に戻ってくることが正しいわけでもないと思いますし、都会に出ていくことが悪いわけでもないと思います。何が正解なのかっていうのは、やっぱり誰にも分からないじゃないですか。悠人や三生くんが戻ってきたのは、地元が好きだから、地元のみんなのために働きたいという思いがあったからです。でも、地元が好きだから戻って来なければいけないわけでもなくて。どんな生き方、働き方をしてもいいんじゃないかというのは、演じる中でもすごく感じました。

前田:僕自身は大阪の生まれで、東京に出てきて8年くらいになるんですけど、最初は寂しかったんですよ。地元ロスじゃないですけど、空気も違うし、よく言う表現で水が違うじゃないですけど、なんか違って、すごくしんどい時期もあって。でも、人って慣れる生き物で「あ、東京でも別にやっていけるな」って思った時もあったんですけど、ふと大阪に帰って周りが全部大阪弁だったときに涙したことがあるんです。『おかえりモネ』でも描かれましたが、必ずしも地元のために働かないといけないわけでもないと思いますし、それが偉いわけでもない。でも、帰りたくなったときに味方でいてくれるのは、地元の空気や一緒に育った友達や家族なんだなって。心の拠り所として、いつも自分を支えてくれるのが地元なんだなと三生を通して、改めて感じました。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

関連記事