もちろん“シーズン2”としての新しさは随所に現れている。前シーズンで対立ポジションにあった鏑木が唯織たちの理解者に回り、新たに立ちはだかるのは新院長の灰島（高嶋政宏）であることが容易にわかる。とはいえこの灰島は、どうやら大森の同期だったようで見事に飼い慣らされており、単純に悪役として見るには少々頼りない。こうした部分も前シーズンの鏑木とどこか重なるところだ。そして“出戻り”組によって再び下っ端になってしまった田中の視点から、改めて唯織という存在の異端ぶりが語り直されていく。これを一つの筋道とすることで、前シーズンを観ていない層もカバーするというねらいも考えられる。

　いずれにせよ、前シーズンの序盤の方にあった“医師“と“技師”の軋轢といった厄介なものをすでに突破しているからこそできる、純粋に「目の前にいる患者の命を救う」こと、そのために絶対的に必要な「良い写真を撮る」ということ。そうした放射線技師たちの職業性をまっすぐに見つめ、そして何よりもコミカルに描き出していく“ラジハらしさ”は、この第1話から全開であった。

※高嶋政伸の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
『ラジエーションハウスII～放射線科の診断レポート～』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00～21:54放送
出演：窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、八嶋智人、浅野和之、和久井映見ほか
原作：『ラジエーションハウス』（原作：横幕智裕、漫画：モリタイシ、GJ／集英社）
脚本：大北はるか
企画：中野利幸
プロデュース：草ヶ谷大輔
演出：鈴木雅之、相沢秀幸、水戸祐介
制作著作：フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse2/