『おかえりモネ』今度は百音から菅波をハグ 空いた距離を縮めた勝鬨橋でのひととき

「15分会いましょう」

 4カ月すれ違っていた百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)が再会し「ド新人の空回り」というワードが飛び出した相談タイムが11分、菅波(坂口健太郎)が百音(清原果耶)を汐見湯の近くにある蕎麦屋へと初めて誘った時間が48分、菅波が百音を初めて抱きしめた時間が1分。

 『おかえりモネ』(NHK総合)第85話では、すれ違いが続いていた百音と菅波がやっと時間を見つけて会うことになる。その時間は我々朝ドラ視聴者には馴染み深い、15分。蕎麦屋に行っていた時間よりは遥かに短く、今では懐かしく思える相談タイムよりかは長いと考えると案外時間があるんじゃないかとも思えるが、菅波が百音に合鍵を渡して以来2人はずっと会えていない。「あなたと僕には時間がないから」と菅波の登米への引越しが約4日後に近づく中にも関わらずだ。しかも、百音は勤務に向かう前、菅波は大学病院を抜け出してやっと作った15分である。

 菅波が「会いましょう」と呼び出したのは、百音が電話で「先生に話したいことたくさんあったんです」と漏らしていたからだ。「地元に、島に帰って何か自分にできることがしたいんです」ーー同級生たち一人ひとりが抱える思いやウェザーエキスパーツの面々の意見を通じて、徐々に気仙沼への思いを固めつつある百音。いつだって相談相手は菅波だった。

 しかし、菅波を目の前にして百音から溢れ出すのは、あと数日で離れ離れになる不安、会えない苛立ち。百音と菅波との間に空く不自然な距離、一向に菅波を見ようとしない百音の俯く視線が、関係性は恋人として近くなったけれど今まで以上に会えなくなっているもどかしい思いを表している。菅波が登米の診療所に行くことは嬉しいけれど、会えなくなるのは寂しい。登米に帰ったサヤカ(夏木マリ)にそう話していたことからも、12月から遠距離恋愛になることは覚悟していたはずだった。

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