『TOKYO MER』と『MIU404』の共通点 コロナ禍で生まれたエンタメの真髄

 「駆け付けた現場で死者を1人も出さないこと」を信条に、「待ってるだけじゃ救えない命がある」と救助現場に真っ先に駆けつける救命医療のプロフェッショナル集団MER(Mobile Emergency Room)の姿に毎話胸を熱くさせられる日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系/以下、『TOKYO MER』)。

 重大事故、災害、事件の現場に自分たちの危険も顧みず飛び込み、救うべき目の前の命にひたむきに向き合い必ず“間に合わせる”。

 彼らの活躍ぶりや信条はどこかで見覚えがある気がする。そう、「誰かが最悪の事態になる前に止める」ために誰よりも早く事件現場に駆けつけ初動捜査にあたる『MIU404』(TBS系)での警視庁刑事部・第4機動捜査隊(Mobile Investigative Unit)だ。

 両作ともに従来の捜査や救命医療の方法や常識に囚われず、抜群の機動力を武器に小回りが利くからこそ通常フレームだと手が届かないところにまで救いの手を伸ばし、市民の安心安全を守り抜く。毎話、扱われる題材は実際起こった事件や時事ネタを彷彿とさせる内容を含み、社会問題を問うものだ。その事件や事故が起きてしまった背景にある悲しき事情まで丁寧に忠実に描かれ、ここで繰り広げられていることはあくまで氷山の一角であり、現に“今”どこかで誰かの身に起こっていることだと思い知らされる。1話ごとに事件や事故の被害者や加害者(にならざるを得なかった人たち)のストーリーを立ち昇らせながら、我々に“真の正義とは何なのか?”と問うてくる。スピード感あるストーリー展開からも目が離せず、毎回あっという間に1時間が過ぎ去る。

 外国人労働者問題は両作ともに扱われたテーマで、『MIU404』でベトナム人留学生役を演じたフォンチーが、『TOKYO MER』ではベトナムから経済連携協定(EPA)で来日している看護師ミン役を好演している。

 何より双方に通ずるのは、あまりに魅力的なバディとチームの強さだろう。“野性のバカ”伊吹(綾野剛)と、理性的でポーカーフェイスな志摩(星野源)のMIUバディと、猪突猛進で迷いのない喜多見(鈴木亮平)と医系技官で冷静な野心家である音羽(賀来賢人)のMER バディは共に一見したところ正反対ながらも、互いに認め合い強い信頼関係で結ばれ、ナイスコンビネーションを見せてくれている。

 無鉄砲に思える伊吹や喜多見の突破力や求心力、そして無防備な言動が、規則やしがらみに縛られている志摩や音羽の迷いや静かな諦めを知らず知らずのうちに打ち消していく。

 MERバディは喜多見の過去の秘密に音羽が迫った結果、2人の関係がどうなるのかはこれからの大いなる見どころだが、現時点でもなんだかんだお互いに一番の理解者になっている彼らの信頼関係を根幹から揺るがすようなことはそうそうない気がする。

 『MIU404』では、もう1組のバディーであるベテラン機捜隊員の陣馬(橋本じゅん)×エリート新人の“きゅうちゃん”こと九重(岡田健史)という年齢もバックグラウンドも何一つ共通点のない2人の凸凹コンビの化学反応も堪能できる。彼らが共有した時間の分だけかけがえのない絆を築き上げていく様子は尊く、微笑ましく、運命的でさえあった。

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