『#家族募集します』重岡大毅が受け入れた痛みと喜び 涙あふれる日々はずっと続いていく

 およそ1カ月ぶりに再開というイレギュラーな展開となった、金曜ドラマ『#家族募集します』(TBS系)の第3話。だが、そのブランクを感じさせないのは、それだけ1話の中に中身がずしりと重みがあるからだろう。

 毎回まるで1本の映画を見るかのように、一つずつ丁寧に壁を乗り越えていく姿が描かれる本作。第3話では、いよいよ主人公・俊平(重岡大毅)が、息子・陽(佐藤遙灯)に、母親・みどり(山本美月)の死を告げることを決心する。

 絵本作家であり、ヨーロッパで取材中に不慮の事故で帰らぬ人となってしまったみどり。俊平は陽に100日以上、その事実を伝えられずにいた。それは、幼い陽にどう話したら母の死が理解できるのかという模索以上に、俊平自身が最愛の妻の死を受け入れるの時間が必要だったのではないだろうか。

 陽に伝える日は、すなわち「いつか帰ってくる」という夢の時間の終わりを意味する。できることならもう少しだけ、この残酷な現実から目を背けていたい。陽と2人でみどりが帰ってくるのを待っていたい。誰よりもそう願っていたのは俊平だったのだから。

 しかし、いつまでもそんな夢の中に居続けることができるわけではない。陽に「ママはいつ帰ってくるの?」「ママはどこにいるの?」そう聞かれるたびに、話をそらさなければならない心苦しさ。きっとこのままごまかし続けていけば、大好きなはずのママの話を陽とできなくなってしまうおそれもある。

 そんな俊平の背中を押したのが、にじやのメンバーだった。そのアプローチも個性が光る。世話好きな蒼介(仲野太賀)は放っておけないとみんなで悩みをシェアしようと声をかけていく。見切り発車と揶揄されるくらいのちょっぴり強引なところも、ふさぎ込みがちなときには嬉しいもの。自分から「聞いてほしい」というのが苦手な、人に迷惑をかけたくないタイプならなおさらだ。

 蒼介がセッティングした場で、俊平の隣に座ったのはめいく(岸井ゆきの)だ。蒼介が奮闘して作った“お好み焼き風パンケーキ“も「おいしくない」とバッサリ言うめいくは、俊平にも「考えてるふりして、本当は逃げてるんじゃないの?」「陽がどんな顔をするのか怖くなって、逃げてるだけなんじゃないの?」と歯に衣着せぬ物言いで意見する。

 ここまで遠慮なくぶつかられては、つい俊平も本音があふれる。「だからヤダったんだよな。グサッときた。みんなに相談したらさ、そうやって俺のやわらかいところに切り込んでくるんじゃないかって……だから相談するのも逃げてたのかな」そう言いながら、自分自身と向き合わざるを得なくなるのだった。

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