ジョニー・デップが“闘い続ける男”に挑む 『MINAMATA―ミナマタ―』新場面写真公開

 9月23日に公開される映画『MINAMATA―ミナマタ―』の新場面写真12点が公開された。

 本作は、ジョニー・デップが製作・主演を務めた人間ドラマ。熊水俣病を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミスによる写真集『MINAMATA』を基に映画化した。本作では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージンが、アイリーンとともに水俣を訪れ、現地で暮らす人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を写真に収めていく日々が描かれる。デップのほか、ビル・ナイ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子らが出演。音楽は坂本龍一が手がけた。

 本作のオファーを受ける前からW・ユージン・スミスに憧れを抱いていたデップは、本作の主役を引き受けることは「考えるまでもないこと」だったという。加えて日頃から環境問題について確固としたヴィジョンを掲げてきた彼は、「MINAMATAの物語を正しく伝えたい」と切望し、自らプロデューサーにも名乗り出た。スミスに憧れる理由について、「スミスは複雑な性格の男で、数々の苦難を経験し重傷を負って孤独だった。また、ユーモアのセンスもある人で、『Wはなんの略ですか?』と聞かれると『ワンダフル』と答えていたそうだ。そんな彼が、自分をかなぐり捨てて水俣に飛び込んだ。それほど心を動かされたんだ」と語る。

 本作のテーマの一つ「権力に真実を語る勇気」については、「人々の持つ力を絶対的に信じているんだ。組織のリーダーたちや上流階級は、本来ならみんなを助けるべき立場だ。人々は、団結すれば強くなれるといつか気づくと思う。どんな上流階級や億万長者よりも強いのは人々だ。人々には大企業の製品を買わない力や大企業の宣伝文句を聞かない力があるからね。僕が尊敬するのはユージン・スミスのような、反動を恐れることなく闘い続ける人々だよ 」とコメント。

 長年の友人でもあるプロデューサーのサム・サルカールは、デップの役作りについて「私は彼が素晴らしいキャラクターを生み出すのを見てきた。だが、本作での彼はそんな私まですっかり驚かせてくれた。ある時はシンプルに、ある時はユーモアを持って、そしてある時はむき出しの感情を溢れさせた。間違いなくユージンの魂を表現している」と手放しで絶賛する。今もまだ続く“目の前の危機”である水俣の危機に当てたスポットライトで、各国で同じ環境被害に苦しむ多くの人々を照らし出そうと決意したデップ。「映画の持つ力をフルに活用して、この歴史は語り継がれなければならない」と映画化を熱望し、役者人生をかけて本作を作った。

 それを表すように新たに公開された場面写真では、暗室で真剣な面持ちで現像する姿、部屋で独り考え込む姿、無数の写真の中で物思いに耽る姿、暴行を受け包帯を全身に巻きながらも写真を撮る姿など、孤独を抱えながらも、水俣について世界に発信しようとする姿が見て取れる。

■公開情報
『MINAMATA―ミナマタ―』
9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:アンドリュー・レヴィタス
脚本:デヴィッド・ケスラー
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、キャサリン・ジェンキンス、 ビル・ナイ
音楽:坂本龍一
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
アメリカ/115分
(c)2020 MINAMATA FILM, LLC (c)Larry Horricks
公式サイト:longride.jp/minamata/

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