梶裕貴×雨宮天『七つの大罪』対談 7年間寄り添い続けたメリオダスとエリザベスを振り返る

 『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』が7月2日より公開中だ。『週刊少年マガジン』で約8年にわたって連載され、単行本は全41巻で完結、累計発行部数は3,700万部を突破している人気コミック『七つの大罪』。いまだ人と人ならざる者の世界が分かたれてはいなかった古の時代を舞台に、七人の大罪人により結成された、王国史上最凶最悪の騎士団<七つの大罪>が世界の危機に立ち向かっていく姿を描くヒロイックファンタジー。劇場版第2作となる本作も、原作者・鈴木央描き下ろしの完全新作オリジナルストーリーとなる。最凶の大罪人たちが再び、巨大なスクリーンで大暴れし、“最終章”のその先を描く。

 今回、リアルサウンド映画部では、主人公のメリオダスとその弟であるゼルドリスを演じた梶裕貴と、エリザベスを演じた雨宮天にインタビュー。7年間に及ぶTVシリーズを駆け抜けた思いと、劇場版の見どころを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

7年間向き合い続けたメリオダスとエリザベス

ーーついに完結を迎えたTVアニメ『七つの大罪』。これまで7年間演じてきた自身のキャラクターを改めて振り返って、何か変化を感じますか?

梶裕貴(以下、梶):メリオダスには、大きな変化はなかったと感じています。物語序盤は特に、メリオダスは謎だらけの存在でしたよね。僕も皆さんと同じタイミングで次の展開や彼の真実を知っていく形だったので、自分の中でもかなり謎がある状態で演じていたのを覚えています。それでも初回のアフレコ時に、「『七つの大罪』という作品は、メリオダスとエリザベスの愛の物語です」というお話を伺っていたので、彼にとって大切なもの……道標とすべきものは彼女しかいないと信じ、とにかく“エリザベスへの想い”を軸において向き合ってきました。その後、物語が進むにつれて、彼が魔神王の息子であることや、3000年に及ぶ戦いの真実などが明らかにはなりましたが……彼としては一貫して変わらず“エリザベスを守るため”という気持ちに変わりはなかったと思います。途中、<七つの大罪>のメンバーやエリザベスに対して、弱さや本音を吐露し、それまでにはなかった怒りや悲しみなどの感情を激しく表に出す場面があり、そこはひとつ大きな節目になっていたと思いますが、それでも大きな捉え方としては、最初から最後まで変わらない存在だったなと感じています。

ーー雨宮さんはいかがですか?

雨宮天(以下、雨宮):エリザベスはだいぶ変わりましたね(笑)。最初は、本当に周りの人に守られてばかりで、<七つの大罪>の力を借りないと、自分1人では何もできないような女の子だったので。ただ、人を信じる気持ちがエリザベスの武器で、実際にそれが人の心を動かし続けて、味方を増やしていくのは、エリザベスのすごいところだと思います。その部分は、お話が進んでも変わらない部分でもありますが、後半で本来の力に目覚めても、最後にはデリエリや敵側の人を味方にしてしまうのは、ひとえにエリザベスの信じる力と救いたいという思いがあったからだなと。変わらないところがありつつも、エリザベス自身が記憶を取り戻すにつれて、精神的にも強くなり、最初の印象から徐々に演じ方も変わりました。最初はとにかく優しくお姫様らしく、“守られる側”然としていたのですが、今はもう堂々と自分の足で立っている自立した女性として演じているので、だいぶ変わりましたね。

ーーエリザベスは、雨宮さんにとっても声優を始めて間もない頃の役でもありますよね。

雨宮:『七つの大罪』が始まった頃は右も左もわからない新人でした。私自身もいろいろな戦いを経て(笑)、強くなれたというのはエリザベスと一緒です。『七つの大罪』の全シリーズを一気に駆け抜けるのではなく、何年もかけて進んだのと同じように、私自身も何年もかけて演じることで、エリザベスと一緒に成長できている感覚がありましたね。

梶:確かに終盤のエリザベスに関しては、キャリアや年齢、人生経験といったものを積み重ねていないと演じられないところがあったんじゃないかなと思います。なにより……僕にとってもそうですが、アニメ作品で7年という年月を一緒に歩ませていただけたのは、本当に貴重な経験でした。心から感謝しています。

ーー7年間続けて演じていると、お互いの印象は変わっていきますか?

梶:天ちゃんとはこの作品で初めましてだったので、お互い少しずつ馴染んでいった形だと思います。収録が進む度に、現場において、どんどん頼れる存在になっていってくれました。天ちゃんは、すごく気を張る人だと思うんですよね。でも次第に役者陣の前で、ある種弱点みたいなところや、気を許しているからこそのミスのような一面も見せてくれるようになって……(笑)。みんな、すごく嬉しかったと思います。

雨宮:えー! 最初は新人だったのもありますし、「梶さんだ! 本物だ! ちゃんとやらなきゃ!」と、いっぱいいっぱいでした。でも梶さんは本当に第1話の収録のときからとにかく優しくて。後輩に対する優しさだけでなく、後輩に対するリスペクトを持ってくださる方なので、そのうち「私もここにいていいんだ!」と安心感が出てきました(笑)。

梶:(笑)。

雨宮:今では「アニキ!」と呼ばせていただいています(笑)。

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