『イチケイのカラス』第4話は今後のエピソードの鍵に? 黒木華が実感した“裁く者”の覚悟

 堅物ぶりを遺憾なく発揮し“ベルトコンベアー裁判官”とまで言われてしまう坂間(黒木華)が、完全黙秘を貫く少年の事件で裁判長を務めることによって大きな変化を味わう。4月26日放送の『イチケイのカラス』(フジテレビ系)第4話は今後のエピソードでも重要になるであろう、登場人物の心情の動きから、罪を犯すことによって生じる悲劇的な側面というリーガルドラマに必要なドラマ性の高さ。さらにはいくつもの興味深いトピックまでもが凝縮された充実したエピソードとなった。

 ひょんなことから坂間の元を訪ねてきた坂間の妹・絵真(馬場ふみか)と一緒に、坂間が裁判官を務める公判を傍聴することになる入間(竹野内豊)。しかしサクサクと事件を機械的に処理していく様が傍聴マニアから酷評を浴びる。そんな折、17歳の少年がバイト先の遊園地の売上金を盗み、公衆の面前で現金をばら撒いたという事件を合議で行うことが決まる。入間の提案で、初めて少年事件の裁判長を務めることになる坂間。ところが被告の少年・博人(田中偉登)は完全黙秘を貫き、事件の全容は掴むことができない。博人が育った施設を訪れたイチケイの面々は、そこで博人ときょうだい同然に育った未希(ついひじ杏奈)と陸(細田佳央太)に出会い、やがて1年前に起きた事故にたどり着くことに。

 遊園地の整備不良が原因で起きたジェットコースター事故によって左手に麻痺が生じ、ピアニストの夢を絶たれた未希。その事故で業務上過失致傷に問われた遊園地は、やり手の顧問弁護士によって不都合な事柄を揉み消し無罪を勝ち取るのである。そこで博人は真相を探るために遊園地でアルバイトをし、さらに未希の麻痺を治療するための高額な医療費を捻出するために犯行に及ぶという、彼らを主人公にした物語にしても充分に成立しうるだけのドラマ性を備えたサイドエピソードが展開した今回。

 とりわけ「法律はくそだ」と言い放つ博人に対して、拘置所の面会室で入間が語りかける「法律は人間が人間のために作り出したルール。必ずしも弱いものの味方になるとは限らない」という、ひとりの大人として向き合う言葉。また陸が犯行に加担していたことを隠し通そうと黙秘を続ける博人の心情を知りながらも「客観的に基づき裁く必要が私にはあります」と、苦悩しながら職務を全うしようとする坂間の言葉。そして判決とともに未希の手術が中止になったことを知らされ取り乱す博人に同じ目線の高さから「自分の人生を投げてはいけない」と説く坂間の言葉など、強いメッセージ性と適切な重さを有したセリフの数々が、ひときわ印象的に使われていたといえよう。