芸人が俳優をすることが珍しくなくなった昨今であるが、「芸人が演技をしている」と注目を集めるためのカメオ的な扱いや、その普段のキャラクターをドラマでも活かそうとする扱いではなく、「そこに自然に存在している」ことを求められてドラマや映画界で注目されている中のひとりとしては、我が家の坪倉由幸が挙げられるだろう。

　3月19日に放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』（TBS系）の「芸人アカデミー賞」という企画でも、『アンナチュラル』（TBS系）、『MIU404』（TBS系）の新井順子プロデューサーは、『TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場 天皇の料理番』（TBS系）での坪倉の演技を見て、「俳優さんだと思っていたら芸人さんだったというくらいお芝居が勝っていた」「いい意味で普通」「演じてない感じがします」とコメント。

　その新井プロデューサーの手掛けた『アンナチュラル』の第4話、工場で働く責任者で過労が原因の事故でなくなる父親役の坪倉の演技は、確かに坪倉のその回全体をひっぱっていたのを覚えている。

　新井プロデューサーは先述の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』で、『アンナチュラル』においての米津玄師の「Lemon」は「普通はメインキャストにあてて作るけれど、坪倉さんのシーンにかけるのがベスト」と考えて、エンディングで坪倉のシーンにスポットを当てたと語っていた。

　このほかにも、様々な芸人が、いろんなタイプの作品に出演していて、コラム一回では語り切れないほどの活躍を見せている。今後も、芸人の俳優活動に注目していきたい。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『大豆田とわ子と三人の元夫』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演：松たか子、岡田将生、角田晃広（東京03）、松田龍平、市川実日子、高橋メアリージュン、弓削智久、平埜生成、穂志もえか、楽駆、豊嶋花、石橋静河、石橋菜津美、瀧内公美、近藤芳正、岩松了ほか
脚本：坂元裕二
演出：中江和仁、池田千尋、瀧悠輔
プロデュース：佐野亜裕美
音楽：坂東祐大
制作協力：カズモ
制作著作：カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト：https://www.ktv.jp/mameo/
公式Twitter：@omamedatowako

土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』
NHK総合にて、2021年4月24日（土）スタート（連続5回） 毎週土曜21:00〜21:49放送 ※4K制作
出演：松坂桃李、鈴木杏、渡辺いっけい、高橋和也、池田成志、温水洋一、斉木しげる、安藤玉恵、岩井勇気、坂東龍汰、吉川愛、若林拓也、坂西良太、國村隼、古舘寛治、岩松了、松重豊ほか
作：渡辺あや
音楽：清水靖晃
語り：伊武雅刀
制作統括：勝田夏子、訓覇圭
演出：柴田岳志、堀切園健太郎