上野樹里、『監察医 朝顔』クランクアップで大粒の涙 「あの時のあの気持ちが救われた」

 フジテレビ月9ドラマ『監察医 朝顔』に出演する上野樹里と時任三郎がクランクアップを迎えた。

 『週刊漫画サンデー』(実業之日本社)で連載されていた法医学者と刑事という異色の父娘を描いた同名医療漫画をドラマ化した本作。主人公の朝顔(上野樹里)たち法医学者と刑事のタッグで、さまざまな遺体や事件の謎を解き明かし、遺体から見つけ出された“生きた証”が、生きている人たちの心まで救っていくさまをハートフルに描く。朝顔は、東日本大震災で母を失った悲しみを抱え、朝顔と父の万木平(時任三郎)がその悲しみを、朝顔の夫で刑事の桑原真也(風間俊介)、一人娘のつぐみ(加藤柚凪)と乗り越えていく。

 2020年冬に第2シーズンがクランクインしてから1年、2人にとって最後の撮影は、母の実家であり、東日本大震災に被災した東北の海辺の街を朝顔と平が訪れるシーンで、撮影場所は岩手県陸前高田市となった。演出の平野眞は「ここで終われるというのはすごくうれしい」と言い、また陸前高田市議会議員・福田利喜も、この日、クランクアップを見届けようと撮影現場に駆けつけた。福田氏は過去、上野が陸前高田市を訪れた際に各地の案内をしており、ドラマの制作発表会見(2020年10月24日)に際して、被災した地へ思いをはせる上野へ感謝の言葉をつづった手紙を寄せている。

 最後のカットにOKが出て、上野と時任2人そろってクランクアップの瞬間を迎える。スタッフから「万木朝顔役の上野樹里さん、万木平役の時任三郎さん、オールアップです!」と声が上がり、盛大な拍手とともに、演出の平野から2人へ花束が贈られた。

 時任は「まだ終わったという実感がないのですが(笑)。本当にこの現場は優しさにあふれていて、スタッフはみんな優しくて、樹里ちゃんをはじめ役者もみんな優しくて、優しさのかたまりのようなチームでした。その優しさが一つ一つ積み重なって、『監察医 朝顔』という作品になっていったのかなという気がします。どれだけ貢献できたのか分かりませんが、この作品に参加できて非常に光栄だと思うのと同時に幸せです。第1シーズンが終わった後、万木家の鴨居を10センチ上げて欲しいとお願いをしたのですが(時任の身長より万木家の鴨居は少し低い)、それはかなわずに終わってしまいましたけれども(笑)、本当に感謝しかありません。こんなに優しさと思いやりのあるチームは、今まで俳優として40年以上やってきた中で、ナンバー1だと思います。本当にありがとうございました」と語った。

 続いて上野は「皆さん、お疲れさまでした! 1年たってしまいました。あっという間ですね。日々、妥協せず、自分のできることを精いっぱいやりながら、ちゃんと言いたいことを言って、ほどよくぶつかりながらも(笑)、調和が保たれていて、自分以外のことでも誰かのことを支えて、とにかくみんながお仕事にまっすぐで健やかなチームでした。人間なので当然、コンディションが良い時もあれば良くない時もあって、でも、みんながその日のベストを尽くして、助け合って前に進んで、そんな日常とチームの魅力が、そのままドラマに反映されていたと思います」と振り返る。

 また、「平野さんみたいな、こんなにギャグを挟んでくる監督は見たこともないですが(笑)、そのおかげで、いつも私たちは肩の力を抜いて自然体でいられました。『監察医 朝顔』を撮影する日常は、本当にありがたい場所だったなと感じます。この日常が終わってしまうまで“もう残り3カ月だ”とか“あと2カ月しか残っていない”と思いながら撮影をしていました。監督をはじめ、皆さんが育んでくださった優しさが、私たち出演者の関係性を第1シーズンよりさらに深めて、豊かなものにしてくれました。そして皆さんに、朝顔の色んな感情や姿を引き出していただきました。それは、自分1人の力では絶対にできなかったと思いますし、本当に皆さんのおかげで朝顔は生まれることができたと思います。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。

 そして、「東日本大震災が起きてから10年になりますが、10年前の震災があった時に私は、それこそ時任さんがお父さんという役でドラマの撮影をさせていただいていました。その時は、被災した方々や場所に、自分は何ができるんだろうってすごく苦しかったです。『監察医 朝顔』は被災された皆さんにとっても何か感じていただける作品になったと思います。それだけでなく第2シーズンは、新型コロナウイルスで大変な状況もあって、そんな中で、生きるということや当たり前の日常というのがいかに素晴らしいかということを、朝顔を通して少しでも伝えられたのではないかなと思っています。『監察医 朝顔』に出会えたこと、そして陸前高田の方々にも出会えたことで、自分が役に立てなかったという、あの時のあの気持ちが救われたというか……この作品に出会えて、ようやく色んな方の役に少しでも立てたんじゃないかなと、今、とてもうれしく思っています。皆さん、ありがとうございました。本当にありがとうございました」と、途中からは大粒の涙をこぼし、思いの丈を述べた。

 プロデューサーの金城綾香は、最終話に寄せて「岩手県陸前高田市でクランクインした2019年の第1シーズンにはじまり、はからずも第2シーズンのクランクアップも岩手県陸前高田市となりました。地元の方にも“こんなに海沿いなのに風が凪(な)いでいるのも珍しいですよ”と言っていただきました。まずは、時任さんが最終話の、平さんの結婚式のスピーチのセリフにかけたコメントをされて、スタッフはみんな笑顔になり、そのあと、上野さんが涙ながらにスタッフ、キャストにお礼を言ってくださって、現場で見ていて涙が出ました。最後まで、キャスト、スタッフの思いが詰まっていますので、どうかエンドロールの仕掛けも楽しみにしてください!」とコメントを寄せている。

■放送情報
『監察医 朝顔』最終話
フジテレビ系にて、3月22日(月)21:00〜放送
※30分拡大
出演:上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES)、藤原季節、斉藤陽一郎、坂ノ上 茜、田川隼嗣、宮本茉由、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、加藤柚凪、戸次重幸、平岩 紙、ともさかりえ、三宅弘城、杉本哲太、板尾創路、山口智子、柄本明 ほか
原作:『監察医 朝顔』(実業之日本社)
脚本:根本ノンジ
プロデュース:金城綾香
演出:平野眞、阿部雅和
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ