武井咲&大友啓史監督、『るろうに剣心展』を観覧 シリーズの歴史と完結作を語る

 映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』で神谷薫を演じる武井咲と監督の大友啓史が、現在開催中の作品展『25周年記念 るろうに剣心展』を観覧した。

『25周年記念 るろうに剣心展』

 1994年から99年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載され、シリーズ累計発行部数7200万部(電子版含む)を超えた、和月伸宏の大ヒット漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』。その誕生から25周年の節目を記念して企画された、初の大規模作品展『25周年記念 るろうに剣心展』が、1月22日より東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリーアーモ)にて開催されている。同展は、当初昨年4月に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に鑑みて、いったん延期となっていた。

 本展では、主人公・緋村剣心をはじめとした様々なキャラクターたちがそれぞれの生き方を模索しながら信念を貫く姿を、200点を超える直筆原稿やカラー原画などで紹介する。

 様々な原画を見ながら、撮影を振り返る武井と大友監督。今回の『るろうに剣心展』のために描き下ろされたメッセージ入りの原画キービジュアルイラストを見ながら大友監督は「僕の勝手な考えですが、最近の剣心の画のタッチは、”健(たける)剣心”が入ってるような気がするんですよね」と映画版で主演を務めた佐藤健に言及して周囲を笑わせ、武井は「当時のセリフを思い出しちゃいますね。ザワザワしてきました(笑)」と笑顔を見せた。そして、『るろうに剣心 最終章 The Final』で描かれる「人誅編」の原画の前エリアで足を止めると、剣心と雪代縁の闘いを描いた原画を見つめながら大友監督は「まさに撮影もこんな感じでしたね」と語り、武井も「今まで描かれてきた剣心の闘いとは違いましたね。声が出せないというか、邪魔してはいけないという異様な雰囲気でした」と述懐した。

 そして、観覧後に行われたスペシャルインタビューでは『るろうに剣心展』の見どころと魅力、これまでのシリーズを振り返り、撮影時の思い出に残ったエピソードやシリーズ完結について自身の思いを語った。

 『るろうに剣心展』について大友監督は、「間近で見ると迫力が違いますね。和月先生がどんな思いを込めて描かれたのか、剣の一振りにどれだけの時間を込めたのか直接伝わってきました。原作から何を感じるか、原作からのインスピレーションを得ようと思って読んでいた時の熱を思い起こさせられた感じがしました」と興奮した様子で語る。一方の武井は、「大友監督と回らせていただいたので、映画化当時の監督の思いと大変さが伝わりました。これだけ細かいところまで見られるのはすごく貴重だと思いますし、1作目からの撮影をすごく思い出しました。あれから10年経ったとは思えないんですけど、こうやって剣心たちと一緒に過ごしてきたんだなと強く感じました」と感無量の様子でコメントした。

 『るろうに剣心展』には、『週刊少年ジャンプ』で連載された「京都編」の決着から23年を経て、この展覧会のために原作者の和月が描き下おろした“剣心と志々雄真実”の闘いを描いた二枚一対の“剣闘図”も飾られている。大友監督はこの“剣闘図”を見ながら、「このシーンを実写化した時は相当悩みました。剣と剣の闘いだけではなく、ある時代を背負った男と男の意地のぶつかり合いというのが、この画には出ていますよね。あのシーンは健くんも野獣のような顔つきに変わって。そういった迫力や剣撃の深さとスピードも一枚で表現するのは本当にすごいですね。僕らは何時間もかけて描いたシーンでしたので」と『京都大火編/伝説の最期編』の思い出を振り返った。一方、武井は「私はどうしても、健さんと藤原竜也さんに見えてしまいますね(笑)」と笑いながら、「当時の撮影を鮮明に思い出します」と懐かしんだ様子を見せた。

 200点以上の原画が展示されている本展覧会。映画の撮影を思い出す原画があったか問われた大友監督は「神谷道場での剣心と薫の出会い」と答え、「ヒロイン(薫)とこの原画を一緒に見れたというのは非常に感慨深いですね。原画を見てても、最後のシーンまで辿り着くのに薫がどんどん漫画の中のコマで成長しているんですね。それを私は生身の人間でも体験できているんです。佐藤さんと武井さんの成長もこの10年見てきたので、2人が一緒にいるシーンは本当に染みましたしね」と感動した様子で語った。そして、武井も「神谷道場のシーン」と回答し、「本当にこれまで緊張しながら撮影に臨んでいたのですが、本作での神谷道場の撮影の時に、この10年間見えていないところでも、(私の中には)薫が近くにいたんだなと思いましたし、戻って来ることができて本当に良かったです」と懐かしみながらコメントした。そして、原作から薫というキャラクターを演じるにあたってのヒントはあったかと聞かれた武井は、「最初はやはりビジュアルですね。監督から当時言われていたのは、薫はピュアであり真っ直ぐで、常に父の言葉を信念に持っている女性で、そういったイメージとビジュアルや薫の良いところを体現できればいいなと思っていましたね」と語り、監督からは竹刀をもらったエピソードも披露し笑顔を見せた。

 ついにシリーズが完結を迎えることについて、武井は「またこのシリーズに参加できるは凄く嬉しいですし、海外へ行った時に“薫”として見られる時もあり、こういったグローバルな作品に携わることができて光栄でしたね」と感謝の気持ちを口にした。そんな武井の思いを聞いた大友監督は、「薫は17歳の道場主という、父の思いを背負って、道場を守る健気な少女という設定で、そんな人いるかなと思って探していたところ、武井さんを見つけてオファーをしました。当時の武井さんと薫が重なって、良いスタートを切ることができましたし、シリーズが進むにつれて、色々な現場で経験された芝居の上手さがすごく出ていました。今回は剣心と巴の過去をどう受け止めていくか、恐らく、5年前(前作)の武井さんの受け止め方と、今作での受け止め方は違うと思うんですね。薫が2人の過去を受け止める姿は、多くの女性が共感出来る部分だと思います。その想いを武井さんが芝居を通して表現してくれていましたね」と労いながら、前作から7年ぶりの現場となった本作での“神谷薫”としての武井について語り、武井も「剣心の過去を知って2人を思いやるのは、昔の私では無理だったと思いますね」と大友監督の言葉に頷いた。

 また、薫というキャラクターについて武井は「信念を貫き、自分の思いを曲げずに立ち向かっていく姿はずっと変わらない姿だと思いますし、私はそういった薫の姿が本当に好きですね。芝居中、薫の気持ちに寄り添いながら共存していましたし、感慨深い気持ちになりますね」と自身にとっても大切なキャラクターだと語った。

 そして、剣心を演じた佐藤について聞かれた武井は、「健さんにとっても大きなミッションだったと思うんですが、周りのスタッフさんと同じ方向を向いて進んでいく姿が好きでしたね。健さんがいるだけで、みんなのスイッチが入るし、健さんが剣心を纏うと、『るろうに剣心』の世界に入り込めましたね」と回答。さらに、神谷道場メンバーとの撮影について「『ただいま』という気持ちが強かったですね。うっかり素に戻ってしまうくらいの空気感でした。久しぶりの現場だったんですが自然とスイッチが入りましたし、最高に楽しかったですね」と語り、さらに「剣心が横にいてくれたからこそだと思っています。目の前に剣心がいて、横に弥彦がいるということが神谷道場の日常を思い出させてくれるというか、撮影が始まっているとうよりは、ご飯を食べている途中で撮られているという感覚でした」と神谷道場メンバーがかけがえのない存在だとわかるエピソードを披露した。

■展覧会情報
『25周年記念 るろうに剣心展』
会期:1月22日(金)~3月7日(日)
会場:東京ドームシティGallery AaMo(ギャラリー アーモ)
(c)和月伸宏/集英社
公式サイト : https://ruroken-ten.com

■公開情報
『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』
『るろうに剣心 最終章 The Final』4月23日(金)全国ロードショー
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』6月4日(金)全国ロードショー
出演:佐藤健、武井咲、新田真剣佑、青木崇高、蒼井優、伊勢谷友介、土屋太鳳、三浦涼介、音尾琢真、鶴見辰吾、中原丈雄、北村一輝、有村架純、江口洋介
監督:大友啓史
音楽:佐藤直紀
主題歌:ONE OK ROCK
原作:和月伸宏『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚-』(集英社ジャンプ コミックス刊)
制作プロダクション・配給:ワーナー・ブラザース映画
製作:映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
(c)和月伸宏/集英社 (c)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
公式サイト:http://rurouni-kenshin.jp
公式Twitter:https://twitter.com/ruroken_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/ruroken_movie/

関連記事