ドラマの本質は長さにあり!? 『きみセカ』『監察医 朝顔』など2クールドラマ増加の背景

 最近のテレビドラマを観ていると、放送形態に対する意識が変わりつつあるように感じる。

 基本的にテレビドラマの放送は、冬クール(1~3月)、春クール(4~6月)、夏クール(7~9月)、秋クール(10~12月)に分割されており、1週間に1話(約45分)×1クール(9~11話)放送というのが基本的なフォーマットだ。

 一部例外として、2クール(半年)に渡って放送されている『相棒』(テレビ朝日系)シリーズ、1日15分×6日(2020年の『エール』以降は5日)を半年にわたって放送するNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)や1年間に渡って放送する大河ドラマ、テレビ朝日の『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズのような30分1話を1年にわたって放送するドラマ枠もあるが、基本的に連続ドラマは1クールで毎週1話の放送だ。しかし、近年は1話30分のドラマも増えており、話数のバリエーションも多様化している。

 たとえば現在、月9(フジテレビ系月曜夜9時)で放送されている『監察医 朝顔』は、月9では異例の2クールとなっている。

『監察医 朝顔』(c)フジテレビ

 本作は法医学者の万木朝顔(上野樹里)が主人公のドラマで、2019年に放送されて好調だった作品の続編だ。近年の月9は医者や刑事を主人公にした1話完結の事件モノが続いている。印象としては『相棒』や『科捜研の女』といったテレビ朝日のドラマに近く、シリーズ化を前提に作られている。その中で、もっともうまくいっているのが、監察医が遺体の謎に挑む『監察医 朝顔』だ。

 主人公の過去や人間関係といった物語がほとんど描かないテレ朝の刑事ドラマに対し、『監察医 朝顔』は事件ものとしての側面と朝顔を中心としたホームドラマとしての側面の両方が丁寧に描かれている。

 劇中で朝顔は、刑事の桑原真也(風間俊介)と結婚し、途中で娘も生まれる。一方、東日本大震災で亡くした母・里子の遺骨を探す父の平(時任三郎)と朝顔の関係も重要な要素となっている。つまり、半分職業ドラマ、半分ホームドラマとでも言うような絶妙な塩梅となっており、1話完結の事件モノとして初見でも楽しめる一方で、連続ドラマならではの人間模様も楽しめる。

 テレ朝の刑事ドラマのテイストを取り入れつつも、フジテレビのドラマが培ってきた日常生活をみせる面白さがうまく融合しており、その意味でも現在の月9にふさわしい作品だと言えよう。

 だからこそ、話数の多さがプラスに働いており、『北の国から』(フジテレビ系)や『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)のような壮大なホームドラマに成り得る可能性も秘めている。