千葉雄大と杉咲花が『マティアス&マキシム』に捧げたポエム公開 山戸結希ら著名人コメントも

 9月25日に公開されるグザヴィエ・ドラン監督最新作『マティアス&マキシム』に、千葉雄大と杉咲花がポエムを寄せた。

 第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された本作は、ドラン監督がルカ・グァダニーノ監督作『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受け描いたという愛の物語。『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりにドラン監督が役者として自身の作品に出演し、故郷モントリオールで親しい仲間とともに作り上げた。これまで一貫して描き続けてきた“母と子”というテーマから一新、2人の青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てた。

千葉雄大ポエム掲載ポスター
杉咲花ポエム掲載ポスター

 マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は30歳で幼なじみ。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった2人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、2人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだが……。

 インタビューやSNSで度々ドランについて話している千葉のポエムは、本作に見る「友情」について個人の想いも交えた内容に。以前からドラン作品にコメントを寄せてきた杉咲も、自身の観点でポエムを綴った。

 なお、二人のポエムを、本作ポスターのデザインを担当した大島依提亜によってビジュアル化したポスターも公開された。

 また、本作をいち早く鑑賞した、小説家の唯川恵、作家の江國香織、漫画家の魚喃キリコ、映画監督の山戸結希、漫画家の倉橋トモの5名の著名人からのコメントも到着した。

ポスター掲載ポエム

杉咲花

苦しいことの方が多い人生だけれど、たった一瞬の喜びや幸せに私たちは生かされて、
そしてそれを求めてまた生きていくのだと思う、とある人が言っていたことを思い出した。
孤独の青、炎の赤、涙の青、情熱の赤、すれ違う2色の鼓動が初めて交わった時
それはそれは美しく、儚い朝焼けのようだった。

千葉雄大

ぼくの友達について考えてみた。彼、彼女らはかけがえのないものだ。
集まれば、みんないろいろ抱えていたとしても、なんだかくだらないこと一つで笑い合えて。
誰かが欠けても誰かが加わっても、友情は形を変えて人生を彩ってくれる。
けれども、人との関わりは、煩わしくもある。
ある分野においては衝突もするし、言葉を飲み込むこともある。
時には尖った言葉で手を離してしまうこともあるかもしれない。
そうやって歪な形を取りながらも、やっぱり手を繋いで気付いたら一緒にいる。
でも、その手を繋げなくなるかもしれないとしたら。それはとても怖いことかもしれない。
それでも、窓越しに浮かべる彼の素敵な笑顔を彼に教えてあげたい。この先どうなろうが、その瞬間だけは苦しくなるほど美しかった。

コメント

唯川恵(小説家)

躊躇いと衝動、戸惑いと情熱。その狭間で心がかき乱れる。だって、それが恋だから。

江國香織(作家)

名づけ得ない感情が、名づけられないまま息づいた、繊細で情感豊かな映画。
言葉の奔流も愉しい。泳いだり走ったり殴ったり殴られたり、若い人たちは大変(なのにうらやましくなった)。

魚喃キリコ(漫画家)

こんなに熱のあるキスシーンを見たことがない。

山戸結希(映画監督)

カットバックは義務、ツーショットは権利。
登場人物たちは皆、距離を表現し続ける。
ツーショットが許されるのは、
この世界にただ二人だけ。

倉橋トモ(漫画家)

仲間達と冗談を言い合うその隣でひっそりと芽生えてしまった二人の秘密の感情、その行方にヒリヒリしました。
たがが外れたように求め合うシーンは美しく、胸が熱くなります!

■公開情報
『マティアス&マキシム』
9月25日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、アンヌ・ドルヴァル
配給:ファントム・フィルム
原題:Matthias & Maxime/2019年/カナダ/120分/ビスタ/5.1ch
(c)2019 9375-5809 QUEBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL
公式サイト:phantom-film.com/m-m/
公式Twitter:@mattandmax_jp

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