『それから』『ハハハ』などホン・サンス監督8作品、「ザ・シネマメンバーズ」で9月より順次配信

 配信系ミニシアター「ザ・シネマメンバーズ」にて、ホン・サンス監督作品8作が9月より順次配信されることが決定した。

 ザ・シネマメンバーズで今回配信されるのは、「キム・ミニ以前/キム・ミニ以後」ともいうべきホン・サンス監督の8作品。映画監督が主人公で、アウトサイダー的に訪れた場所での出会いや不和が、ときに映画への哲学を織り交ぜながら描かれる、「キム・ミニ以前」4作、『よく知りもしないくせに』『ハハハ』『教授とわたし、そして映画』『次の朝は他人』と、不倫が報じられ、公私にわたるパートナーとなっている女優キム・ミニとの関係自体を描いているかのような「キム・ミニ以後」の4作、『正しい日 間違えた日』『夜の浜辺でひとり』『クレアのカメラ』『それから』が配信される。

 9月1日より配信される『よく知りもしないくせに』では、突然燃え上がる過去の恋、そして優柔不断な男の悲喜劇を軽妙に綴る。9月8日配信の『ハハハ』は、2人の男の“ひと夏の想い出”をホン・サンス監督が一目惚れをテーマに描く恋物語。

 10月8日配信の『夜の浜辺でひとり』は、不倫相手との関係、自分の将来、揺れる女心を繊細に映す。10月22日より配信される『それから』では、愛憎で絡まった男と女の滑稽さをコミカルに描く。

 「キム・ミニ以前」4作では、主人公の男性によるナレーション、あくまでも男性中心に進んでいく会話や物語というトーンだが、「キム・ミニ以後」4作では、ホン・サンスとキム・ミニの二人が出会った最初の作品『正しい日 間違えた日』の後半を境に男性のナレーションはその後の作品から消え、ヒロインのキム・ミニを描くようになっていく。ゆるんだ構図、特徴的なズーム、ドキュメンタリービデオのような生っぽい撮り方などの手法が徐々に洗練され変わっていくところも8作品を通して観ていくことで、より鮮明に感じることができる。

 男女の恋愛模様を、会話を中心とした演出で少人数のロケによって描く作風で、エリック・ロメールを引き合いに出して語られることも多い、ホン・サンス監督。ザ・シネマメンバーズでは、特集名にあえて、「韓国のエリック・ロメール!?」と、「!?」を付けて配信する。本当にロメールのようなのかどうかを配信作を観ることで、観客それぞれに判断を託すというメッセージが込められている。なお、ザ・シネマメンバーズでは、ロメール作品9作品も配信されている。

■配信情報
『よく知りもしないくせに』
9月1日より、ザ・シネマメンバーズにて配信
(c)2009 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

『ハハハ』
9月8日より、ザ・シネマメンバーズにて配信

『夜の浜辺でひとり』
10月8日より、ザ・シネマメンバーズにて配信

『それから』
10月22日より、ザ・シネマメンバーズにて配信

ほか『教授とわたし、そして映画』『次の朝は他人』『正しい日 間違えた日』『クレアのカメラ』配信
公式サイト:https://members.thecinema.jp/

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