入山法子と中村蒼の切ない別れも 『エール』二階堂ふみが出会うカフェーで働く人々に注目

鉄男に転機を与える!? おでん屋店主・山根(花王おさむ)

 希穂子との別れの後、新聞社を辞め、東京へやってきた鉄男。だが、廿日市(古田新太)から「福島行進曲」の詩をこきおろされてしまい、コロンブスレコードへの紹介は失敗に終わる。「この先どうなることやら」と先行きの見えない現状に不安をこぼす鉄男の話に優しく耳を傾けているのが花王演じるおでん屋店主・山根だ。

 花王は、俳優・佐藤B作が主宰の劇団東京ヴォードヴィルショー結成に参加し、20年間中心メンバーとして活躍。舞台を中心に活躍してきた花王の出演に、SNS上では歓喜の声があがっていた。花王の自然な演技は「おでん屋の親父さんが本物のおでん屋の親父さんみたいですごい」「おでん屋のおっちゃん、居るだけで滲み出てて、かっこよすぎる」と評判だ。

 山根は、登場シーンこそ少ないが、鉄男が東京で詩作を続けるためのきっかけを用意する重要な人物だった。鉄男におでん屋を譲り故郷に帰ったことが鉄男の口から明かされるが、花王の演技は、鉄男と山根が語らう姿を思い浮かべたくなるような、優しい印象を残していた。

 今週おすすめしたいシーンは、鉄男を想う希穂子が去っていくシーン。切ない別れとなってしまったが、鉄男の幸せを願う希穂子の優しさが伝わる去り際に注目だ。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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