『テッド・バンディ』監督が暴く、観客の固定概念 「外見や行動だけで信頼してはいけない」

「犯罪が、エンターテインメントとして消費されている」

ーーあなたは、本作やNetflixのドキュメンタリー『殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合』のみならず、HBOの『パラダイス・ロスト(原題)』シリーズなど、法制度や犯罪をモチーフとした作品を多く作り上げてきました。そうしたモチーフを追求することへのモチベーションはどこにあるのでしょう?

バリンジャー: 「True-Crime」(実録犯罪物)というジャンルがあるけれど、僕はその言葉に対してはすごく複雑な気持ちになる。犯罪やそれが及ぼす悲しみが、エンターテインメントとして消費されているように感じてしまうんだ。僕は、そうした題材は、とてもデリケートに扱わなければいけないと思っている。これまで扱ってきたモチーフは、取り上げることでよくない状況に置かれている人たちーー無実の罪を着せられて服役している人や被害者ーーを助けられるんじゃないかという思いから追求してきた。アメリカの法律のシステムは、今改めて見つめ直さなきゃいけないタイミングだと思っているよ。

(取材・文・写真=島田怜於)

■公開情報
『テッド・バンディ』
12月20日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
原作:エリザベス・クレプファー『The Phantom Prince: My Life With Ted Bundy』
脚本:マイケル・ワーウィー
監督:ジョー・バリンジャー
出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラリオ、ジェフリー・ドノヴァン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、ブライアン・ジェラティ、ジム・パーソンズ、ジョン・マルコヴィッチ
提供:ファントム・フィルム、ポニーキャニオン
配給:ファントム・フィルム
(c)2018 Wicked Nevada,LLC

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