『G線上のあなたと私』インタビュー

滝沢カレンが語る、『G線上のあなたと私』でひらけた女優への道 大切な“名前”へのこだわりも

 「私の中で友だちって、自分が一生かけて守れるか守れないかで考えちゃう」


――ドラマでは、大人のバイオリン教室で育まれる友情が描かれていますが、滝沢さんそういう仲間がいるコミュニティは持っていますか?

滝沢:私、相当たくさんの時間をかけないと人と仲良くなれないんです。今は新しい友だちを作るよりも、今いる友だちともっと深く知ろうっていう方に向いています。だから、中学生のころからの友だちが1番の親友で。芸能界で仲良くなった横澤夏子さんとは、知り合って4年くらいなりますけど、まだ壁をつくっちゃいますし。

――意外です! すごくオープンマインドな方なのかと思っていたので。

滝沢:すごくそれ言われるんですよ。でも、自分からは探しに行かないタイプです。本当は人見知りを直したいし、お仕事にも繋がることが多いから、新しい出会いを求めたほうがいいんでしょうけど。なかなかうまくできないですね。横澤さんとも、まだ緊張しちゃうし。

――その横澤さんとは、どうやって仲良くなったんですか?

滝沢:お笑いファンだったので、横澤さんは10代からずっと大好きな人で、番組で一緒になったとき、自分から初めて「友だちになってください」と言ったんです。すごく勇気を出しました。そこから、横澤さんの大切な人だと紹介されたのが、ハリセンボンの春菜さんで。そしたら、丸山桂里奈さんとも知り合えて、今では4人でご飯したりしています。

――友だちの輪は、すごく慎重に広げるタイプなんですね。

滝沢:そうです。知り合いだったら、たくさんいるかもしれません。今まで27年も生きてたので。だけど、親友とか友だちは……。私の中で友だちって、自分が一生かけて守れるか守れないかで考えちゃうんですね。この人を、自分が仕事中もなんかあったら……あ、仕事中はダメかもしれないけど(笑)。仕事が終わって、疲れてる時に、助けに行けるかどうか。そうなるとがやっぱり数人しかいないというか、そのくらいしか守れないなって。昔から自分を大切にしてくれる人たちを、大切にしていきたいです。

『G線上のあなたと私』第6話より(c)TBS

――その大切な人を「守りたい」という感覚が、今回演じられている芙美さんと重なって見えました。ご自身では、今回の役柄に共感するところはありますか?

滝沢:私は、芙美さんほど強くはないと思うんですけど、あまり人前で悩みを出すタイプじゃないので、もしかしたらそこは似てるかなと思います。どんなに明るくても悩みがない人なんか絶対この世にいないと思ってるので。悩みを見せず、だけどその明るさも作りものではないのが芙美さんの魅力だと思うんです。芙美さんは、私よりも何十倍、何百倍もすごい立派な人ですし、親であって奥さんだし。だって、夫の家族と住めるんですよ! 私は多分それは無理かもしれないです(笑)。

――では、芙美さんが考えたキラキラネームについては?

滝沢:実は中学生のときに、いつか子どもができたら“カレン”って名前にしたいなって考えたことがあるんです。それで今、カレンって芸名に……あ、芸名って言っちゃった。まぁ、バレてもいいんですけど(笑)。自分の芸名にしたんですね。カレンは別にキラキラネームじゃないと思うんですけど。だから、名前にこだわる芙美さんと、名前は大切だなって思う私、そこはもしかしたら一緒かもしれないです。でも、私が息子に名前をつけるとなったら、80歳になったときのことを考えるから、おじいちゃんで「苺郎」はやめておこうか、ってなるかも。でも私はつけないけど、芙美さんがすごく真剣に考えた名前なので素敵だと思います!

「どんなチョイ役でも、名前のない役でも、チャレンジしていきたい」

――芙美さんは共感しやすい部分の多い役柄でしたが、今後こんな役にチャレンジしてみたいという希望はありますか?

滝沢:逆にクールな役をやってみたいです。クールなイメージが自分にはないので、自分の中でもっとクールな女でいたいって思うんです。

――それこそ、眞於先生(桜井ユキ)のような?

滝沢:そうそう、眞於先生みたいなカッコいい女性。あとは、恋愛にすごい左右見ちゃう人みたいな役もやってみたいですね。自分の感情に正直に動ける役とかを、やっぱり一度女としてやりたいです。でも、恥ずかしがり屋なので、あんまり顔を近づけられても困るな(笑)。

――女優さんとしてのこれからが、楽しみですね。

滝沢:今回は、こんな素晴らしい作品に女優としてお邪魔させてもらうことになって「こんな分際でこのトビラ開けていいのかな」と思ったんです。でも、やっぱり演技のお仕事はすごく楽しいし、厚かましいかもしれないけど、「またやりたい」って思っています。チョイ役でもいいですし、名前のない役でもいいんです。本当にドラマや映画を見るのが好きだったので、そこに自分がいられるだけでも本当に感謝感謝で。だから、どんな役でも、チャレンジできたらうれしいです。

(取材・文=佐藤結衣/写真=池村隆司)

■放送情報
火曜ドラマ『G線上のあなたと私』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:波瑠、中川大志、松下由樹、桜井ユキ、鈴木伸之、滝沢カレンほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』コミックス全4巻(集英社マーガレットコミックス刊)
脚本:安達奈緒子
演出:金子文紀、竹村謙太郎、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gsenjou/

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