『スカーレット』喜美子×照子の絶妙な友情関係 次週は戸田恵梨香×大島優子×林遣都が登場

 戸田恵梨香がヒロインを務める朝ドラ101作目『スカーレット』(NHK総合)が、9月30日よりスタートした。

 『スカーレット』は、焼き物の里・信楽に生きる女性陶芸家の波乱万丈の物語。第1週「はじめまして信楽」では、第1回の冒頭で燃え立つ釜に向き合う喜美子(戸田恵梨香)の姿が映し出され、やがて川島夕空が演じる喜美子の幼少期、昭和22年の春へと時代を移す。スカーレットとは、鮮やかな赤色、緋色を意味する言葉。釜の火を消そうとする母・マツ(富田靖子)に対し、「もっともっと火、焚くんや!」と目を輝かせる喜美子には、これから彼女に待ち受ける情熱的な人生を想像させる。

 長く苦しかった戦争が終わり、1年8カ月。物語は、父・常治(北村一輝)が戦後に手を出した商売に失敗し、住み慣れた大阪から滋賀の信楽に知り合いを頼りに訪ねてくるところから始まる。第1週で喜美子(川島夕空)は、陶芸家を目指す慶乃川(村上ショージ)、人の心を伝え喜美子の絵のセンスをいち早く見抜く草間(佐藤隆太)、同級生のクラスメイトで幼なじみとなる照子(横溝菜帆)らと出会い感化され、成長していく。

 喜美子の芯の強さや弱音を吐かない性格は、後の風呂釜に薪をくべ、苦手だった読み書きを覚えるシーンに繋がっていく。戦争を経験してきたという多くの朝ドラヒロインに共通する部分は、例えば前作『なつぞら』ヒロインのなつ(広瀬すず)にも言え、力強く生きていく姿は重なるものの、それ以上に声の大きさといった直接的なパワフル描写が、女性陶芸家という情熱的なイメージを抱かせる。喜美子と対照的に妹の直子(やくわなつみ)が、わがままで家の手伝いが大嫌い、そして空襲の恐怖を今も拭えずにいるというのも、喜美子の存在感を際立てている。

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