“ブラック”高橋一生 VS “ふわふわ”中村倫也 『凪のお暇』期待を裏切らない第一話

ブラック高橋一生にゾクゾク


 ドラマの大きな見どころとなるのは、やはり高橋演じる慎二と、中村演じる安良城ゴンの対比だろう。慎二は営業部のエースとして社内でも一目置かれる存在で、もちろん女性社員からの人気も絶大。“空気は読むものではなく、作るもの”と言い切る、デキる男である。

 職場に秘密とはいえ、そんな慎二と付き合っているという優越感だけでも生きていけそうな気もするが、そう上手くいかないのが人生。舞台挨拶の際、高橋が「慎二が登場する時は、サイコな感じ」と話していたように、慎二は現れるだけでピンと空気が張り詰めるほどブラックな一面がある。表では人当たりの良い慎二、また扮する高橋も穏やかな雰囲気を纏っているだけに、その緩急に一層ドキッとさせられるのだ。

 さらに高橋は「どんどん闇の部分が出てくるので、どんどん(女性に)引かれていこうと思う」と話しており、ダークな言動はますます加速していく模様。とはいえ闇の部分だけでなく、慎二の不器用すぎる本音が垣間見えるシーンもあるだけに、“クズ男”と突き放すこともできないのがおもしろいところ。高橋が自在に魅せる慎二の二面性、いや三面性から目が離せない。 

ふわふわ中村倫也の破壊力


 一方のゴンは、凪が引っ越してきたアパートの隣人。腕にはタトゥーを入れ、大音量の音楽を流して部屋で仲間と盛り上がる……一見、ビビってしまうような存在だが、見た目に反して振る舞いは柔らかく、ふわふわと優しい空気を持つ不思議な男性である。

 慎二の逆をいくような“ギャップ”は秀逸で、オンエア後に“ゴン=中村倫也に陥落する女子たち”の姿が目に浮かぶほど。ネタバレになってしまうので詳細は避けるが、初登場の際には「なるほど」と受け入れ、二度目の登場の際には「そう来たか」とつぶやき、最終的には「破壊力!!」と叫びたくなる。そんなズルさがあるのだ。

 と、色々書いてきたが、とにかく伝えたいのは「一回、観てみて!」ということ。高橋、中村のイケボが響くだけでもありがたい1時間なのだが、タイプの違う2人の間に立った凪が、人生をリセットした上でどんな選択をしていくのかも気になってたまらない。女性達がテレビに釘付けになるだろう金曜夜が、いよいよ幕を開ける。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『凪のお暇』
TBS系にて、7月19日(金)スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
出演:黒木華、高橋一生、中村倫也、市川実日子、吉田羊、片平なぎさ、三田佳子、瀧内公美、大塚千弘、藤本泉、水谷果穂、唐田えりか、白鳥玉季、中田クルミ、谷恭輔、田本清嵐、ファーストサマーウイカ
原作:コナリミサト『凪のお暇』(秋田書店『Eleganceイブ』連載)
脚本:大島里美
演出:坪井敏雄、山本剛義、土井裕泰
プロデューサー:中井芳彦
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/NAGI_NO_OITOMA/

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