『なつぞら』清原果耶、言葉にできない思いを見事に表現 電話で“繋がった”奥原三兄妹

 そして、続けて咲太郎がなつに代わって受話器を握り、思いのたけをぶつけるが、突然の驚きが続いて、千遥は思わず電話を切ってしまう。何をどう上手く言えば分からずに動揺してしまうのも無理はない。だが、その後しばらくして今度は千遥から、なつの元へと電話を掛ける。

「先ほどは、すみませんでした。お姉ちゃん」

 再びなつと千遥が電話でつながる。そしてこの電話の会話の中で、なつは「どうしても千遥に会いたい」と言う。すると千遥も「分かりました。私も会いたいです」と伝えたのだった。電話での会話が続いた今日の物語。表情やしぐさはもちろん分からない。それでも、ナレーションにあったように、「はっきりと家族の時がつながった」瞬間であった。

 そして特筆すべきは清原の名演だろう。電話で話しているだけなのに、そこに千遥が歩んできた人生、そして言葉には言い表せないなつと咲太郎への思いが、わずかに動く視線、声のトーンなどで見事に表現されていた。

(文=國重駿平)

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮、清原翔/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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