『なつぞら』清原果耶、言葉にできない思いを見事に表現 電話で“繋がった”奥原三兄妹

「もしもし?」
「もしもし、なつ?」

 『なつぞら』(NHK総合)第80話は、前回終盤のなつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)の電話シーンから再開した。千遥(清原果耶)が柴田家を訪れたものの、なつに会いたくないらしいと知り、なつは当惑する。詳しい事情はわからないが、とにかく急いで北海道に戻ることを富士子に伝えたのだった。記憶の中の妹の顔が不意に思い浮かぶなつ。“とても素敵な良いお嬢さんに見える”。千遥について富士子からそう伝えられると、言葉にできない思いが、なつの中でより一層込み上げているかのようだった。

 なつはその後「風車」に電話をして、亜矢美(山口智子)に千遥が帰ってきた旨を話し、仕事場に戻ると、下山(川島明)や麻子(貫地谷しほり)たちには休暇を取ることを伝えたのだった。

 「風車」には事情を知った咲太郎(岡田将生)も駆けつけ、なつ、亜矢美、咲太郎の3人がそろう。「とりあえず、電話してみろよ」と言う咲太郎に対し、「何だか怖い」と言うなつであったが、いよいよなつの方から柴田家に電話をかける。ちょうどその頃、柴田家では千遥が帰ろうとしていた時だったが、なつからかもしれないと思った泰樹(草刈正雄)がその電話に出る。そして、泰樹が千遥に受話器を渡すと、なつと千遥の会話が始まった。

「もしもし」
「千遥? 千遥なの? 千遥、お姉ちゃんだよ」

 「千遥」と呼びかけるなつ、そして「お姉ちゃん」と返す千遥。幼い頃の記憶が蘇ってくる。しばらくの間、離れていた2人が電話越しにつながったその瞬間は、“感動の再会”という言葉だけでは言い表せない特別な雰囲気が、「風車」にも柴田家にも満ち満ちていた。その電話の会話で印象的なのは、なつは「ごめんね」と伝えたことだ。そして、そんななつに対し、千遥は「ご心配おかけして、すみませんでした」と言う。互いの状況に思いを寄せ合う姉妹の姿が、そこにははっきりとあった。

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