『集団左遷!!』の魅力は『大脱走』に通づる? 集団としてのポテンシャルを急速に上げる蒲田支店

 ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)第5話が5月19日に放送された。

 地元・蒲田の“下町パワー”によって活気を取り戻した蒲田支店。「ここから本当の奇跡をかなえるんです!」と息巻く片岡洋支店長(福山雅治)の横で、副支店長の真山徹(香川照之)が檄を飛ばす。がっちりとタッグを組んだ2人に続けとばかりに、行員たちは鼻息も荒く次々と融資依頼を獲得する。だが思わぬところから横槍が入る。

 隣接する羽田支店には、これまでも本部の差し金で実績を横取りされてきたが、支店統括部長の宿利(酒向芳)が直接乗り出し、蒲田支店の顧客に攻勢をかけてきた。宿利は片岡らを止められなかったことで横山常務(三上博史)から𠮟責を受け、本部での立場も危うくなっていた。かつての同僚であった梅原(尾美としのり)からそのことを聞き、蒲田支店の存続が1支店の問題を超えて銀行全体に波及していることを片岡は知る。

 第5話の舞台は三嶋食品。一代で会社を興した社長の三嶋(赤井英和)とは地元の岩盤浴で顔なじみになった縁から商談に。余談だが、片岡行きつけの岩盤浴には幼なじみの鈴木(パパイヤ鈴木)や青島(赤堀雅秋)もよくやってきて、仕事や家族のグチを言い合うという設定。零細な企業を営む経営者で町場の景気に敏感な彼らとのやり取りは、片岡が銀行支店長としてやっていく上で意外と役に立っている気がする。

 そうじゃなくても、家と職場の往復(しかも走って!)ばかりの片岡なので、こういう「第3の場所」があるだけで視聴者としても少しだけホッとする。同じTBS系の『わたし、定時で帰ります。』で吉高由里子演じる東山結衣が、毎日退社後に寄る中華料理屋みたいに、ひと呼吸置いてリセットできる空間がこれからますます大事になってくるのではないだろうか。

 話がそれたが、岩盤浴で出会った三嶋がこれまたちょっといわくつきだったことから騒動が持ち上がる。かいつまんで言えば自社ビル購入をネタにした融資詐欺で、怪しい取引の匂いをかぎ取った片岡だったが、まんまと20億持ち逃げされてしまうのだった……。

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