『なつぞら』草刈正雄演じる泰樹の“暴走”ぶりが話題に それぞれの本音が浮かび上がった第6週

 「どして、そんなこと言うの」というのは、泰樹に結婚話を打ち明けられたなつが言うセリフだが、第5週の第28回において、東京の宿で富士子がなつに「無理に母親だと思わなくてもいいからね」と投げかける場面でも、なつは同じセリフを発していた。そこから富士子はなつに対してより自然体の母親となって彼女の夢を後押ししていくが、やがて訪れるであろう別れを予感しながら本心には「今のまんまがいい。ずっと今の家族でいたい」と潜めている。ナレーションにもある通り、なつを思っているのは咲太郎だけではないのだ。

 第6週の幕開けとなる第31回は、なつが天陽の兄・陽平(犬飼貴丈)と出会い漫画動画を制作する「新東京動画社」を訪問する、若干テイストが異なる回。その放送日、5月6日はなつのモデルとなった奥山玲子の命日でもあった。なつのアニメーターへの夢は、第7週「なつよ、今が決断のとき」でついに思いとして放たれる。泰樹を始めとした柴田家はどのように受け止めるのか、そしてなつへの好意を告白すると決めた天陽との結末はいかに。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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