“ヒロインと結ばれない”朝ドラ定番に変化? 「幼なじみ枠」大勢出演の『なつぞら』を機に分析

 朝ドラでは一つの定番となっている、「異性の幼なじみ」枠。

 漫画の世界にも異性の幼なじみはしばしば登場するが、親友であり、きょうだいのようでもあり、ときには恋の相手でもあり……という関係性を観るたび、「幼なじみに異性なんかいない!」「異性の幼なじみは、ステキじゃない」「恋愛から最も遠い相手」などとリアルとの違いを感じる人も多いことだろう。

 その点、100作目のNHK連続テレビ小説『なつぞら』は、ヒロイン・なつ(広瀬すず)の異性の幼なじみも、イケメン俳優だらけ。

 例えば、なつが戦災孤児で浮浪児だったことから病気を持っているのではないかとクラスメイトに言われたとき、かばってくれ、なつの絵心を目覚めさせた天陽を演じるのは、吉沢亮。田舎の風景に浮きまくるほど眩しい光を放っていて、おそらく朝ドラ史上最もキラキラ度の強いキャラではないだろうか。

 また、菓子屋・雪月の長男で、子ども時代は、なつを引き取った柴田家の長女・夕見子のほうを「なっちゃんよりめんこい」と気に入っていたものの、なつと同じ農業高校に通い、なんとなくそばで見守っていて、演劇部に誘う雪次郎役の山田裕貴。

 幼いなつを空襲から救ってくれ、同じ戦災孤児として一時は一緒に暮らしていたものの、生き別れになった佐々岡信哉役の工藤阿須加。

 成長後はまだ登場していないが、絵画の才能に恵まれ、芸術大学で学ぶ天陽の兄・陽平を演じる犬飼貴丈。

 なつを引き取った柴田家の長男で、責任感が強く真面目な照男役の清原翔。

 彼らは視聴者にとっての「目の保養」枠として機能しつつ、当然ながら、なつとの恋模様なども今後の注目ポイントとなる。

 ところで、かつては朝ドラの幼なじみと言うと、「ヒロインと結ばれない」イメージが強かった。ヒロインはみんなに愛されるが、「恋愛に疎い」キャラが多いため、見守ってくれている幼なじみの思いに気づかないパターンが多いためだ。

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