浜野謙太と本田翼が抱えた“救うこと”への葛藤 『ラジエーションハウス』放射線科医と技師の違い

 杏は自分の読影に不安があると、唯織を呼んでアドバイスを求めるようになってしまう。しかしついに鏑木(浅野和之)から「技師に頼りすぎだ」と言われてしまい、すっかり肩を落とすのであった。鏑木は、唯織が読影や診察に関与することは、医師法に触れる可能性があり、唯織を追い詰めかねないと説明する。杏はそんな状況にモヤモヤして、思い悩むのであった。そして杏は、唯織のように病気を発見することが自分にはできていないと苦しむ。自分さえしっかりすれば、状況は変わるはずと努力を重ねるのであった。

 恋愛としての進展こそ、未だにはっきりとしないが、杏が唯織を気にかけていたり、強く信頼していることは2人の態度からわかる。杏は唯織のように、読影で病気を発見し、検査結果の力で患者を救いたいと思っていた。今回登場した患者・真貴は乳房にしこりがある。しかし一度のマンモグラフィではしこりが悪性か良性かがわからないというのだ。真貴の夫の志朗(篠原篤)は妻がガンかもしれないという恐怖に、真貴と共に精神的に追い詰められていく。この件をきっかけに唯織は、技師にできることはなにかを追求した。検査で病気を発見し、診断するのではなく、病気ではないことを証明したのであった。杏の「患者を救うのは医者の仕事」という言葉に呼応するように“技師にできること”を徹底したのだ。唯織の残した功績で、ラジエーションハウスの士気はますます高まっているかのように見える。そんな中、放射線技師長の小野寺(遠藤憲一)は唯織の正体に気付き始め、白衣を着て写真に写っている唯織の写真をインターネットで見つけ唯織に問い詰める。

 続きが気になるところで次回へ持ち越しとなってしまった『ラジエーションハウス』。医師免許を持つことがバレてしまったら、唯織はどうするのだろうか。次回は唯織の正体とその過去について触れられることになるだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(c)フジテレビ
フジテレビ系にて毎週(月)21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/

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