『なつぞら』草刈正雄は現代版“アルムおんじ”? 頑固ジジイが内に秘める深い愛
NHKの連続テレビ小説『なつぞら』で剛男(藤木直人)が連れ帰ったなつ(広瀬すず)に最初の頃は冷たく当たっていた泰樹(草刈正雄)。次第に、泰樹はなつの頑張りを認め、子どもだろうとも対等に向き合うようになる。今後もなつの生き様に大きな影響を与える人物となっていく。
そんな泰樹のキャラクターが、『アルプスの少女ハイジ』のアルムおんじと重なる、という声が続出。ネット上では、“泰樹おんじ”などと呼ばれ話題になっている。
泰樹を演じる草刈正雄といえば、大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)で演じた主人公・真田信繁(堺雅人)の父・真田昌幸を連想する人も多いのではないだろうか。昌幸は知略軍略に優れた天才武将で、戦国時代を生き延びるためなら手段を選ばない。草刈はそんな昌幸をコミカルに熱演。草刈のユーモアたっぷりな演技は若者からも熱い支持を受け、「二枚目なのにお茶目」と絶賛されていた。
泰樹の豪傑な性格、豪快な物言い、佇まいはどこか昌幸に似ている。今作の制作統括である磯智明チーフプロデューサーは、「スポニチ Sponichi Annex 芸能」のインタビューで「真田昌幸と柴田泰樹の置かれている環境には近い部分がある」とコメント。実際、今作には多くの『真田丸』制作陣が参加している。また、「エンタメOVO」のインタビューでは、大森寿美男の脚本に“真田”の雰囲気を感じとった草刈が「昌幸のつもりでやっています」「泰樹さんは昌幸の生まれ変わりです」とも答えている。
本作では、主人公なつがアニメーション業界に飛び込んでいく人生を描き、オープニング映像も全てアニメーションで制作。泰樹がおんじと話題になっている理由には、本作の背景にあるアニメーションとの関係が強いのだろう。たしかに、泰樹となつの関係はアルムおんじとハイジの関係によく似ている。アルムおんじはハイジと出会ったばかりの頃、無愛想で気難しい性格だった。だが、ハイジと接することで優しい性格を取り戻していく。 一方の泰樹も、東京から来たなつに冷たく当たっていたが、懸命に働くなつの姿を見て、徐々に心を開き、彼女を導いていく。